戦前の著名な経済学者であり、稀に見る文章家でもあった、河上肇の有名な自叙伝です。共産主義の活動にも熱心だった人で、そのために投獄されたりと挫折も少なくありません。

しかし、何事にも納得するまでフルパワーでぶつかっていく様は、非常に迫力がある。学生時代から何度も読んでおり、私たちの世代では、この本に影響を受けた人は少なくないでしょう。彼の思想というよりも、生き方に強く魅力を感じるのです。

将来のことを小賢しく計算するのではなく、目の前のことをきちんとやっていくことが手ごたえのある人生につながる。彼の生き方は、時代の雰囲気とともに、私たちに生きることの本質を伝えてくれるのです。