■否定的な言葉が満載

理系の仕事の多くは「失敗しないことが大事」という考え方がベースになっており、できないことを見つけたり、ネガティブな事態を予測できる人が評価されます。リスクを回避できるからです。プレゼンでも無意識のうちにマイナス要素を優先して、否定的な言葉を使いがちです。できないことは「無理です」とバッサリ。数字の表現も、「~もある」ではなく「~しかない」となります。

⇒解決策 「できます!」から始める

たとえ実現不可能なことでも、第一声を「できます」で始める癖を。「できます、ただし~が必要です」と言うのと、「できません、なぜなら~がないからです」と言うのでは、同じ内容でも受け取る側の印象は違います。もちろん前者が好ましい。目的の実現に向けて、相手に「やれそうな気がする」と思わせる話法を身につけることは重要です。ポジティブな表現も身につけましょう。

■一方的に説明し続ける

技術的な作業に向き合う時間が長い理系人間ほど、つい製品説明書のような「カタログトーク」をしてしまいます。自分が調べたことを、一方的に話すのです。プレゼンではなく、単なる報告会になってしまう場合が多い。コミュニケーションのためにひと呼吸置いたり、その場で意見を求めたりする姿勢が見られないので、聞いている人たちも「取り付く島もない」と諦めモードになります。

⇒解決策 相手の声を聞く

プレゼンは情報交換の場。相手とコミュニケーションを取るのを忘れないようにしましょう。自分が調べてきたことに対してどの部分に相手は興味を持っているのか、ほかにどんなニーズがあるのかを聞き出すのが目的のひとつ。相手を知る絶好の機会を逃さないよう「どうでしょうか」の一言を適宜添えるのです。コメントに対しては「わかりました」で終わらずに、質問返しを。

(構成=桜田容子)
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