「顔文字」の使用は相手との関係次第

メールの普及とともに生まれてきたのが、顔文字の文化です。顔文字は気持ちを表現するのに便利なツールですが、ビジネスメールで使用してもいいのでしょうか?

よろしくお願いします(^^)/

ご提案ありがとうございます♪

大変申し訳ございませんm(_ _)m

もしも、このような文章を含んだビジネスメールが送られてきたら、「ふざけている」「なんだこの態度は」と、イラッとされてしまうかもしれません。

顔文字の類いはビジネスの場では基本的にNG。使わないようにしましょう。ただし、仲のよい同僚同士など関係が構築できている間柄で、軽い報告などをする場合に使うのは例外です。その意味では、あくまで相手との関係による、といえるでしょう。

また、まれに多少の顔文字が許容されるビジネスシーンもあります。たとえば、美容院がなじみ客に送るメールなどのケースです。フレンドリーな対応でお客さまとの関係が深めたいという場合には、多用しすぎない程度で使ってもよいでしょう。

不快感を排除するチェックポイント

これまで、メールで相手に不快感を抱かせるポイントをいくつか見てきました。しかし、実際には、不快感は読み手の感覚によって異なります。つまり、イラッとするかどうかは個人差があり、イラッとするポイントも異なるということです。

ならば、相手のことなど気にせず「自己流」のメールを書き続ければよいのか? いえ、決してそんなことはありません。読み手がどう受け取るかはわからないからこそ、「書き手のときには、読み手が敏感な人であることを想定する」ことが必要です。

ていねいなメールを書いて、不快に思われることはありません。下記のチェックポイントを使って、メールで不快感を与えそうな要素を、極力、排除しましょう。

・誤解を与える表現になっていないか?
・相手の疑問や問い合わせにきちんと答えているか?
・失礼な表現はないか?
・敬語の誤りはないか?
・自分の都合を押しつけていないか?
・相手への気づかいができているか?

メールをする際は、以上の6項目を常に念頭におくように意識づけましょう。

大事な上司や取引先をイラッとさせる前に、自分のメールを見直してみてくださいね。正しい書き方、送り方を身に付ければ、メールはあなたの仕事にとって一生モノの武器になるはずです。

平野友朗(ひらの・ともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事/株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役
1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年にメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載400回以上、著書25冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間100回を超える。著書や監修本には『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/
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