公団を選択肢に入れないのはもったいない!

公営住宅と公団住宅。よくひとくくりにされますが、似て非なるものです。

公営住宅は、都道府県や市町村が整備し、管理運営する低所得者向けの賃貸住宅です。家賃は、一般の賃貸物件の5割程度のため、入居者の抽選倍率が20倍に達することもあります。入居条件には収入の上限のほか、その自治体に在住か勤務していることなども含まれます。

一方、公団住宅は主に中堅所得者向けに独立行政法人都市再生機構(UR)が供給しています。こちらは、新規物件で申込者多数の場合のみ抽選となりますが、中古物件は先着順。入居が難しいということはありません。

最近、家賃が民間相場に近くなってきてはいますが、初期費用は公営住宅同様、敷金(月額家賃の3カ月分)のみで、礼金、仲介手数料、更新料が不要です。“公団リピーター”が多いのはこうした理由からです。

入居条件は申込者の毎月の平均収入額が家賃の4倍か33万円以上、もしくは貯蓄額が希望の住宅の家賃の100倍以上。それさえクリアすれば無職でも入居可能というのは、大きいメリットといえます。また契約の際に保証人がいらないのは、とくに高齢のユーザーにはうれしい話です。

と、ここまで読んで「でも、公団は建物が古く部屋も狭く、駅から遠いのでは?」と思われた読者の皆さん。

進化したUR賃貸の実力をご紹介しましょう。まず、建物。老朽化した物件は順次、リニューアル中です。水回りを新品にし、和室はフローリングへ。外観はやや古くても中はピカピカなのです。新規物件には、デザイナーズ系の洗練された内外装でキッチンはアイランド型、床暖房など設備が驚くほど充実したものもあります。

鉄骨鉄筋コンクリート造による構造が多いので、民間物件より地震に強く、遮音性も高い。居住性が高いのです。

以前の公団物件は、壁の仕切りが多く一部屋が狭かったのですが、改装・新規物件では、民間にもあまりない1LDKで60平方メートル。2LDKで80平方メートルといった、ゆったりしたタイプも増えています。

収納も広めで、段差のないバリアフリー物件や、メゾネットタイプ、さらにはショッピングモールや公園などが隣接した物件もあります。