市場関係者の多くが胸をなで下ろしたことだろう。フランス大統領選挙で、親EUのマクロン前経済相が反EUで極右政党「国民戦線」のルペン氏を破ったことで、英国の離脱の動きに続くEUの危機は回避した形となった。円安・ユーロ高が進み、日経平均株価も上昇するなどマーケットも好感を示した。

ただし、楽観はできないと指摘するのが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介研究員。

「選挙結果はルペン氏の当選だけは避けたいという消極的支持によるところも大きい。マクロン氏が痛みを伴う政策に乗り出せば、民意が離れていく恐れがあります」

マクロン氏が公約とした経済政策のなかでも、注目は労働市場改革。フランスの失業率は10%ほどで、EU内でも好調なドイツなどに比べて改善の兆しが見えない。解雇規制の緩和によって労働市場を活性化し、フランス経済の競争力強化を目指す。

「方向としては正しくとも痛みを伴うのは必至。成果が出るまで国民が我慢できるかがカギです」(土田氏)

改革に失敗すれば、また極右政党が支持を伸ばす恐れもある。イタリアやギリシャでは金融不安や政治不安のリスクがある。短期的には一息ついても、中長期的には欧州から目が離せない状況は続く。