「やり取りを見直すきっかけに」

日産自動車のグローバルマーケティングイニシアティブ部で課長を務める曽山純平氏も、「在宅勤務はコミュニケーションを見直すきっかけになる」という。

グローバルマーケティングイニシアティブ部課長曽山純平氏ダ(左)とイバーシティディベロップメントオフィス室長小林千恵氏(右)。

同社では、在宅勤務を行う際、前日までに当日のスケジュールを上司に報告する。例えば、そこで上司が作業時間を30分と見積もったタスクを部下に任せたとしよう。一方、部下はそのタスクを1時間かかると見積もった。しかし、結果的に、部下はそのタスクに2時間かかってしまった、とする。このような場合、上司は部下の業務遂行能力を再評価することができる。

「部下も、なぜこんなに時間がかかったか、上司と一緒に客観的に分析することができる。業務改善にも繋がります」(日産自動車 ダイバーシティディベロップメントオフィス室長 小林千恵氏

導入開始は06年。利用者は4000人!
――日産自動車

「ダイバーシティディベロップメントオフィス」という、一般には聞き慣れない部署が同社に発足したのは2004年。直訳すれば「(従業員の)多様性の発展」。つまり、同社は働き方改革に10年以上前から取り組んでいることになる。

在宅勤務制度を導入したのは06年。当初は育児、介護目的に限定していたが、10年には生産工程以外の全社員が目的を問わず申請できるようになり、14年には月5回40時間までの在宅勤務が可能になった。現行の制度では、上司と部下で前日までにスケジュールと当日の成果物の確認をし、当日の業務終了時に成果物をチームに共有する。16年3月時点で、在宅勤務制度の利用者は約4000人。この中にはワーキングマザー800人ほどが含まれる。

同社グローバルマーケティングイニシアティブ部課長の曽山純平氏も、在宅勤務制度を活用する一人。夫婦共働きで3人の子どもを持つ曽山氏は、週に1~2回の在宅勤務をすることで、その日は妻が残業することができるという。「子どもと一緒に過ごしたい」という希望から在宅勤務を活用する曽山氏だが、「1日中スーツを着ていると疲れますよね。在宅ではラフな格好でいられるので、仕事がはかどります」と思わぬ効果を語る。

(撮影=花村謙太朗、大崎えりや)
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