東大病院も「糖質制限」を開始

アメリカの糖尿病学会が2013年10月17日に、5年ぶりに糖尿病患者の食事療法に関する声明を改訂すると、日本の医療現場にも変化が出てきました。2015年4月には、東大病院が糖質40パーセントのメニューの提供をスタート。糖質制限に慎重な見方が大半を占める大学病院としては、画期的な取り組みといえます。

『「ケトン体」こそ人類史上、最強の薬である』宗田哲男(著) カンゼン

東京大学大学院医学系研究科教授で一般社団法人日本糖尿病学会理事長の門脇孝先生は、『週刊東洋経済』(2016年7月2日号)にて、江部康二先生とともに同ページにコメントを発表しています。テーマは「本当のところ、糖質制限ってどうなんですか?」。門脇先生は「元慎重派」の立場として、「糖質は総カロリーの4割程度は欲しい」と発言しています。「日本糖尿病学会の理事長としてではなく、一人の糖尿病専門医の見解として申し上げたい」と言っていますが、炭水化物を6割とるべきだという日本糖尿病学会の従来の主張から、糖質制限に歩み寄っていることが分かります。さらに、自分自身も糖質制限を行っているとも話しており、「個人として」ではあるものの、学会のトップの意識が変わる影響は大きいといえるでしょう。

本書では、誤った現代栄養学にメスを入れ、人間本来のメインエンジンである「ケトン体」のメリットを徹底的に解説しています。また、近年はケトン体に関するさまざまな研究が進み、糖尿病だけでなく、ガンや認知症などの予防、改善に大きな効果を発揮することが明らかになってきています。

より健康的な生活を送るためにも、ぜひ本書で、正しい糖質制限とケトン体の多大なメリットを知り、実感してください。

宗田哲男(むねた・てつお)
医師。1947年千葉県生まれ。1965年北海道大学理学部地質学鉱物学科入学。その後医師を志し、1973年帝京大学医学部入学。卒業後に宗田マタニティクリニックを開院。主な著書に『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』(光文社)。近年はFacebookグループ「糖質制限・ケトン体の奇跡」共同代表。糖尿病妊娠、妊娠糖尿病の患者に対して糖質制限による治療を推進、絶大な効果をあげている。
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