ハズレくじは、自分で「当たり」に変えればいい

そしてこの“自己完結”とは、いま世間で活躍する優秀な女子たちには、年代に関わらず共通する傾向でもあると思う。人一倍稼ぎがある。一人で生きていける。何でもできる。「男の存在に補われて初めて完成する存在」ではない。そういう女たちにとっての結婚とは、どんな形になるだろう?

この自己完結した女たちには、世間の言う「男を見る目」など必要ないという皮肉が発生する。補われる必要も、養われる必要もないため、どんな男を選んだとしても、何かあればアッサリと別れることができるからだ。男に過剰な期待はせず、その時の必要に応じて、欲しいものを確実に提供してくれる男を選ぶ。

だから逆に、「男を見る目がある女」「男を見る目が必要な女」ならば、穐田誉輝氏なんか危なっかしくて選ばないのかもしれない。たとえイケメンで資産家であっても、女性問題を起こしたり隠し子がいる男性は、世間的には「ハズレ(そうな)くじ」なのかもしれない。だが、自己完結した女ならこう考える。「ハズレか当たりかを決めるのは、私」。

ハズレくじだって力技で当たりに変えてみせる。それが最強女子校で育つということだ。頭脳も美貌も名声も、既に全部持っている怜ちゃんの結婚は、怜ちゃんが当たりに変えればいいだけのことなのだ。

「私たち、結構男見る目あるよね?」バツだらけの彼女がそう言えるワケ

「私たち、結構男見る目あるよね~?」。東大卒や難関大卒、医師や弁護士をはじめとするエリート女性がずらりと並ぶ桜蔭の同窓会で、とある同級生がワイングラスを片手にそう言った。バツイチどころではなく、バツ2でオールドメディア勤めのバリキャリだ。「私は一緒に住むのも面倒になっちゃう性格だから2つバツついちゃったけど、一応まともに働く男を選んで、子種も残したよ。十分じゃない?」。

それに請け合ったのは、外資コンサルを渡り歩く猛者だった。「しかも、私たちのキャリアにも子育てにも口出ししない男をちゃんと選んでるもんね。まあ私の夫は基本的に一年の半分以上海外暮らしだから、見えないぶんには何やっててもいいのよ」。医師同士で結婚している美人女医はこう言った。「うちなんて、夫婦というよりは完全に、一人暮らしの男と女が同居しているみたいなもん。家事? 我慢できなくなった方がやればいいのよ」。

「そもそも30歳前に結婚したのも、とにかく『既婚者』になってしまえば、『男性からの変な勘違いや誘いもなくなって、仕事に集中できる!』って思いからだったし」

「それあるわ~、もう放っといてって思うよね。あんたなんか相手にするヒマないのよ、仕事させてよ! って」

「夫も、協力しなくていいからとにかく邪魔しないでほしい、私にママの代わりを期待しないでほしい、って思うわ」

「そうなのよ、下手な協力なんかいらないから、とにかく自分のことは自分でやって、私のことは放っといてくれればいい」

「私、夫の2倍稼いでるから、『家事分担を年収比で決めるのが合理的』なんて思っている共働き夫婦の話の残酷さがわかるよ(笑)」

「結局、自立している男がいいよね。仮にこっちが養うことになっても一向に構わないから、自分で炊事洗濯掃除する能力だけはしっかりあってほしい。もう、それだけできていれば合格じゃない?」

そんな彼女たちが、口を揃えて言った「私たちは結構男を見る目がある」との言葉。その味わい深さに、横で聞いていた劣等生の私のグラスが進んで仕方がなかったのは言うまでもない。

河崎環(かわさき・たまき)
1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。桜蔭学園中高から転勤で大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部に入学。奥出直人教授のもとで文化人類学・比較メディア論を、榊原清則教授のもとでイノベーション論を学ぶ。大学の研究者になることを志し、ニューヨーク大学ビジネススクールの合格も手にしていたが、子供を授かり学生結婚後、子育てに従事。家族の海外駐在に帯同して欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での暮らしを経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどに寄稿・出演多数。教育・子育て、グローバル政治経済、デザインそのほか多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続け、政府広報誌や行政白書にも参加する。子どもは、20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)。