【塩田】小池都知事のリーダーシップについては。

【山口】議会に基盤がない中で、都民の関心を引きつけることに相当な手腕を発揮していると思います。メディアを生かすのは大変、上手です。情報をオープンに、というのは好ましい姿勢です。都民の期待、ニーズを捉え、実現に真摯であってもらいたい。問題提起するにしても、最終的に都知事が責任を負うことについて責任感を持って取り組んでほしい。政治紛争はなるべく回避し、乗り越えて、実質的な都政の課題に正面から取り組むことを期待します。公明党もその線で頑張ります。ただこの点は都政の問題ですから、国政と絡めず、切り離して政権運営に臨みます。国政では自公政権の安定が必要です。

【塩田】安倍首相の悲願は在任中の憲法改正実現と見られています。山口代表は現憲法と改憲問題についてどう考えていますか。

【山口】現憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の三つの大きな原理は維持すべきです。そのほかの技術的な規定の部分は、変更を否定することではないと思いますが、現憲法は制定時にかなり緻密に議論されてつくられた面があると思います。

互いのパワーを生かして大きな議席を維持

【塩田】現在の衆議院議員の任期は18年12月までです。次期解散・総選挙の時期は。

【山口】任期の半分が過ぎました。解散が視野に入ってもいいタイミングです。解散は首相の専権事項です。われわれが解散権を縛るような発言は控えるようにしています。衆参ダブル選挙は憲法上望ましくないから、避けるべきだと言いますけど、それ以外は申し上げません。常在戦場で、いつ解散・総選挙があってもおかしくないという構えです。

【塩田】衆議院議員の定数是正で「0増6減」の決定に基づく新しい小選挙区の区割り案の勧告が4月19日に出ましたが、それが総選挙の時期に影響を与えるのでは。

【山口】新区割り案を法律上、仕上げて、周知期間に国民に徹底させ、選挙ができる前提をつくることが国政の務めです。総選挙は首相の判断ですから、区割りの作業が全部終わってからでなければ駄目とか、途中でもやったほうがいいとかは申し上げません。その判断を是とするか否とするか、有権者が決めることです。政権を維持して果断に政策を遂行するのはわれわれの目標です。安倍首相も適切なタイミングを選ばれると思っています。

【塩田】首相の解散の判断では、前回の14年12月総選挙の決断が参考になりそうです。あのとき、安倍首相から公明党には、いつどんな働きかけや相談、通告があったのですか。

【山口】しかるべきところで明言されたタイミングがありました(笑)。ごく直前ではありません。もっと前に、いろいろと党首として懇談する場がありましたから、解散を意識して話をしたのはあのときだったと類推できます。こちらもあうんの呼吸で感じ取っているわけで、あのときの総選挙はあらかじめ織り込んでいました。

【塩田】次回もそういう展開に。

【山口】なるでしょう。お互いのパワーが生かされて、初めて大きな議席が維持できるわけですから、双方ともよく承知していることと思います。