デジタルカメラの売れ行きに変化が起きている。これまで市場を引っ張ってきたコンパクトタイプは頭打ちで、台数・金額とも前年割れの月が目立ち始めた。逆に、一眼レフが絶好調で、7月のボーナス商戦以降、いずれも前年比プラスの高い伸びを示している。

デジタル一眼レフカメラの伸び率
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デジタル一眼レフカメラの伸び率

背景には、デジタル一眼レフの充実ぶりがある。家電製品の店頭調査で定評のあるBCNのアナリストの道越一郎氏は「売れ筋の機種は1000万画素数のものだが、レンズ付き10万円未満の入門機から20万円を超す中級・上級者向けまで出揃った。ユーザーの二極化が進むなか、それぞれのニーズの取り込みが進んだ」と分析する。

そのデジタル一眼の市場は、キヤノンとニコンの2強で台数シェアの8割近くを占める。今年10月の機種別ランキングを見ても、トップテンにキヤノン、ニコンとも4台ずつランクイン。国内販売台数では昨年、ニコンがキヤノンを抜いて初めて首位に立って話題になった。同社の広報・IR部は「写真撮影の基本性能の強化と上位機種の高級感を下位機種にまで浸透させるイメージ戦略の成果。今期は350万台の出荷を見込む」と鼻息が荒い。

ここにきてキヤノンが巻き返して首位を奪還したものの、ニコンとの差はわずか0.5%。デジカメ全体に占めるデジタル一眼のシェアは1割弱だが、その分まだ伸びしろは十分にある。年末商戦に向けた戦略商品を投入で、両社の激しいつばぜり合いが繰り広げられながら、市場は一段と活性化していきそうだ。