人生でどの世代がいちばん幸せなのか?

どのように複雑系かというと、幸せの“変数”とは次のようなものです。

まず、年齢や環境によって幸せは移ろいゆき変化するものだと思います。小学生、大学生、20代、40代、60代の幸せは全く違います。

子供の頃、プラモデルをつくったり、友達と日が暮れるまで野球やサッカーを楽しんだりした純粋な楽しい時間は、大人になるとなくなっていきます。一方で、大人になれば、子供の時にはなかったお金や意思決定の自由があります。

大学生と社会人を比較すると、大学生なら時間の自由があり、たくさん遊べる楽しさがあります。社会人になると時間の自由は圧倒的になくなりますが、社会人にしかない仕事の達成感ややりがいが得られます。

独身時代の幸せもあるし、家族がいる幸せもあります。子供がいない代わりに夫婦で自由な時間を楽しめるのも真実ですし、子供を育てることで得られる幸福感もあります。老後には、病気や死を意識する不安もありますが、退職の後の自由、孫が可愛いという幸せも味わえるかもしれません。

また、幸せは一時的なイベントものもあれば、再現性のあるものもあります。年に1回の海外旅行で得られる幸せと日課のジョギングで得られる爽快感もあります。旅行は1年で言えば短期間ですが、ジョギングは毎日味わえる幸せです。

幸せを脅かす要因をいかに受け止めるのか?

さらに、その人の性格によっても幸福要因は変わります。人とのつながりを感じることが大切な人もいれば、効率や目標達成を重視する人もいます。変化のない安定した生活を望む人もいれば、変化とリスクに溢れる人生を過ごしたい人もいます。極めて個人的な要因で、人によって幸せは変わってくるのです。

一方、人生には幸せを脅かす要因もあります。病気や会社の業績不振、上司との人間関係、夫婦喧嘩などは幸福度を下げうる要因になります。そしてこれらの要因は、どの人にも多かれ少なかれ襲ってくるものです。

結局のところ、人はいつでも幸せになれるし、不幸せにもなる。幸せとは常に移ろいゆくものであり、極めて個人的なものであり、複雑な感情です。

習慣化コンサルタントとして多くの顧客にお会いしていると、上記のように自分の立場や状況、年齢、出来事などが変化しても、安定した幸せの感情を得ることができる人がいることに気づきます。そして彼らには、共通した3つの思考習慣があると私は感じています。