結婚=幸福、金持ち=幸福、出世=幸福とは言い切れない。しかし、必ずしも高収入でもなく、社会的名誉があるわけでもないのに、幸せを感じ続けられる人がいる。その秘密は生活習慣にあった。

出世して収入アップすれば、幸せになるのか?

「人生の目的は、幸せになることである」

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、こう語っています。そもそも幸せとはなんでしょうか? どうすれば幸せになるのでしょうか? 誰もが手にしたい、幸せ。今回は、幸せが続く人の習慣をご紹介したいと思います。

「幸せを分析する」というテーマの文献を読んだことがあります。行動経済学者が「幸福」というものを因数分解して公式(計算式)にしているのです。

例えば、お金、結婚、子供、配分者、健康……。それらは、どれくらい幸福度にインパクトを与えるのかという分析です。

「お金を持つと幸せになるのか?」
「結婚できれば幸せになるのか?」
「子供ができると幸せになるのか?」
「大企業に就職すると幸せになるのか?」
「出世して社長になり社会的名誉が得られれば幸せになるのか?」

みなそれぞれにハッピーになれるように思えます。しかし、幸せという感情は、これらの外的な要素や環境がいくら揃ったとしても、ずっと継続するわけではありません。

金持ちにも社長にも不幸せなことは訪れる

お金を持てば、失う不安も湧いてきます。結婚すれば、夫婦喧嘩でイライラすることもあります。子供は可愛いですが、同時に自由もなくなります。大企業には出世コースや組織のしがらみがあり、出世して社長になっても株主やメディア対応など誰かに振り回されるものです。

幸せという感情を、公式のように要素還元的(全体は部分の集合体)な発想で考えるのは無理があります。

発想としては「複雑系」で捉えるものではないかと考えます。複雑系について『大辞林 第三版』は次のように説明しています。

多くの要素からなり、部分が全体に、全体が部分に影響しあって複雑に振る舞う系。従来の要素還元による分析では捉とらえることが困難な生命・気象・経済などの現象に見られる。高精度の測定技術、カオス・フラクタルなどの新概念の導入、コンピューターの活用などによって新しい研究対象となりつつある。(大辞林 第三版)

まさに幸せとは、複雑系の感情であると考えます。