――モンスターペアレントも、負担でしたか?

【竹田】そうですね。一番困ったのが「うちの子だけ見てほしい」と言うお母さまがいたことです。

【桜沢】僕はそれまで公営だった保育園が民営化されるタイミングに直面したことがあるんですが、大変でしたね。親御さんが、保育の質が落ちる、事故が増えるとさんざん言ってきて。ちょっとした連絡漏れがあったときは、ホールに保護者、市の職員、園の新しい職員が集まって、パワポ資料で説明しろ、と迫られたことも。あの時は本当にハゲると思いましたね。

 
――最後に安倍総理に求めたい待遇改善とは?

【竹田】保育の実態をしっかり見てほしい。私のいた園は、経営者が器ばかりポコポコ増やして、保育士が足りず、地方にスカウトに行って入ってもらっては辞める、の連続でしたから。

【船橋】それと同時に、親御さんに育児は楽しいものだというアナウンスをしてほしいですね。保育園はおむつを替えてくれるから楽というような理由で保育園に入れたがるお母さま方もいたので。

【桜沢】とにかく内輪で決めないで現場の声を聞いてほしい。保育士というのは本来、やりがいのあるいい仕事なので、待遇さえ改善されれば戻りたいって人、僕を含めて、かなりいると思います。

▼「保育士の待遇改善」に関する要望書

保育士の待遇改善について下記により要望いたしますので、宜しくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)器を増やすことは大切ですが、人材が追いついていません。魅力的な人材が働き続けたい職業にするために、月30万円の収入は必要です。
(2)補助が出ても、給与に反映する園とそうでない園があります。現場の現実をしっかりリサーチしたうえで、処遇改善の取り組みをお願いします。

以上 第18回 座談会参加者 一同