南北朝

天皇制の存続が揺れ動いた時代。その本質は「公家vs武家」の権力闘争で、争乱の空気の中でそれぞれのリーダーたちの心は揺れる。これを吉川英治は「権力の魔力」と描いた。700年前の権力闘争は遠い他人事ではない。

現代の政治家の愛読書【足利尊氏】
『私本太平記』吉川英治・著

『新・平家物語』でどうしても描き切れなかったという「権力の魔力」を激動の時代に追う。現代の政治家に広く愛読されている名著。

天皇救出のために挙兵、幕府に挑む【楠木正成】
『太平記』森村誠一・著

武士・楠木正成が、天皇救出のため幕府に対して挙兵する。「尊氏と正成、ここでもまた対極の人物が歴史を動かしていきます」。

わずか16歳で陸奥制圧を成し遂げた貴公子【北畠顕家】
『破軍の星』北方謙三・著
尊氏の執政で、善悪定かならぬ謎の人【高師直】
『異形武夫』高橋直樹・著
足利6代将軍を殺した。『流れるを斬る』所収【赤松満祐】
『将軍赤松邸に死す』古川薫・著
北条政子と並ぶ、日本史に名を残す女傑【日野富子】
『銀の館』永井路子・著
自らの位に信念を持って苦難の道を歩む【後醍醐天皇】
『後醍醐天皇』徳永真一郎・著
世の中を斜に眺める個性派大名の生き様【佐々木道誉】
『婆沙羅』山田風太郎・著
鎌倉幕府を倒すも不慮の戦死を遂げた好漢【新田義貞】
『新田義貞』新田次郎・著
後醍醐天皇の子で、九州発の覇権を目論んだ【懐良親王】
『武王の門』北方謙三・著
(構成=須藤靖貴 撮影=宇佐見利明)