【相談】
妻が嫌いなわけではありませんが、定年後、朝から晩まで一緒に過ごせるか自信がありません。今は、くだらない話にも適当に相槌を打っていますが、そういうわけにもいかなくなりますよね。(49歳男性・電機メーカー勤務)

夫婦なんてもともと他人同士ですから、仲良し夫婦なんて幻想なのかもしれません。でも、僕は最初の女房を亡くしてから、「もう結婚はいいや」と思った時期もあったものの、やっぱり一人は寂しいし、つまらないんですよ。寂しいのはイヤだから、生きていくためには奥さんが絶対に必要です。それが僕の結論でした。

蛭子能収氏

なにしろ僕は、休みの日でも家に一人でいるのが苦痛なんです。19歳年下の女房は、ものすごくアクティブ。あちこちへよく出掛けていくタイプなので、しばらく姿が見えないと、思わず「今どこにいるの?」って電話しちゃう。で、「奥さん仲間たちとお茶してる」って言われると、「僕もそっち行っていい?」と聞くんですけど、まず断られます(苦笑)。

一緒にいれば、毎日のように怒られますし、何かとお小言を言われます。正直言って、女房が煩わしく感じることだってありますけど、そうした日々の中でたまに見つかる小さな楽しみが、必ずあるはず。

たとえば、彼女は寺社仏閣めぐりが好きなんですが、そんな趣味があることを知ったのは結婚した後のこと。僕はまったく興味がないのですが、よく付き合わされて、一緒に各地のお寺を訪ねています。それが適度な運動にもなるし、黙ってついて歩いていれば、少なくともその間は女房の機嫌がいいので、こちらもなんだか幸せな気持ちにさせられるんです。

だから休みの日は、だらだら寝て過ごすのではなく、なるべくその日やることを事前に計画して実行するようにしています。最近は、家族でドライブへ出掛けたり、映画を観にいったりすることが多いですね。

ずっと働き詰めだった人が、日がな1日奥さんと一緒に過ごすのは、最初は苦痛かもしれません。でも、誰だって寂しいのはイヤなはずですから、一緒にすごす相手がいるありがたみを感じるべき。なにしろ、奥さんというのは、タダでセックスができるありがたい存在じゃないですか?

見方を変えれば、夫婦で暮らすことにはいろんなメリットがあるんじゃないかなあ。

ただ僕は、女房の誕生日などにまったく無頓着なので、その点は、ちょっと反省しています。プレゼントを買って帰ったこともまったくないので、これについてはよく怒られています。この先もずっと一緒にいたいですから、もうちょっと気を配らないとダメですよね。

【蛭子さんの一言】老後を一緒に過ごす奥さんがいるのは幸せなことですよ!
蛭子能収
1947年生まれ。長崎商業高校卒業後、看板店、ちり紙交換、ダスキン配達などの職業を経て、33歳で漫画家に転身。現在は俳優やタレントとして活躍中。著書に『ひとりぼっちを笑うな』(KADOKAWA)ほか。