エクセルで特にスキルの差が出るのは関数の使い方だ。SUM(合計値)、AVERAGE(平均値)、IF(条件)など基本的な関数はほぼ全員が使用し、より高度なVLOOKUP(指定範囲から条件に合うデータを取り出す)やSUMIF(条件に合うセルの値を合計する)などの関数をよく使うという人も7割ほどいる。これはチームメンバーに習得してほしい関数にも当てはまる。

「さらに計算確認の<トレース機能>、単語登録で入力作業がスピードアップする<辞書機能>も、それぞれ回答者の4割近くが使っています。これは仕事のスピード、高い作業効率が求められていることの証しです」

回答者の半数近くが、エクセルのスキルについて「十分ではないと思う」と答えているが、熊野氏が読み解くように、関数をはじめエクセルの機能を駆使し、しかも仕事が速い、というマネジャー像が浮かび上がった結果だ。

そのようなマネジャーたちが、エクセルを使ううえで心がけている点も興味深い。自由回答には次のようなものが見られる。「マウスをできるだけ使わない、罫線を最小限にする、セル結合しない、式と変数を区別する」「計算ロジック、使用した係数に関するロジックおよび参考とした他ファイルは、メモとしてファイル内に残すようにしている」「他人が見てもわかる論理構造を意識する。シートの保管ルールを決め、完成品か否かを他人が見て判断できるようにする」。こうした注意点は、エクセル上達の参考になるはずだ。