2016年5月に新しく変わったTOEICテスト。従来のテストとどこが違うのか? どうしたら攻略できるのか? 専門家に聞いた。

注:旧TOEIC(R)は、TOEIC(R)Listening&Readingに名称が変更になりましたが、この記事ではSpeaking&Writing(S&W)と区別するために「TOEIC」と表記しています。

高得点を売り込めば、転職、昇進で有利に!

さまざまなビジネスシーンで必要とされる英語力。検定で証明された実力は自分をアピールする材料になるが、種類がたくさんあるため、何を選べばいいのか悩むところだ。留学サポートを行う「Sapiens Sapiens」の代表取締役 山内勇樹さんは「ビジネスで活用するのであれば、受けるべきはTOEICです」と語る。

「ビジネス英語と日常英語を扱っているTOEICは年々シェアを広げ、多くの企業で人事や総務が『これぐらいの点数を取っていれば、この業務は任せられる』と判断するための指標として利用されています。高得点をアピールすれば、就活、転職、昇進で有利に働くのは間違いありません」

【TOEICスコアのビジネスレベル指標】

▼レベルE(10点以上)
コミュニケーションができるまでに至っていない

▼レベルD(220点以上)
通常生活で最低限のコミュニケーションができる

▼レベルC(470点以上)
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
(600点以上)
新卒者が就職活動でアピールに使える

▼レベルB(730点以上)
どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている
(800点以上)
外資系企業への転職、国際事業部などへの異動、海外赴任に必要

▼レベルA(860点以上)
Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
(900点以上)
どの方面に対しても高い英語力があることを誇示できる

さらに現場で役立てたいという人に山内さんが推奨するのが、TOEIC Speaking&Writingテスト(以下S&W)だ。古くからあるリスニングとリーディングの試験、TOEICに対し、TOEIC S&Wは電話の応答を想定した問題、メールの作成などの試験が行われる。

「パソコンを使って実務に近い作業の問題を行い、英語の実践力、応用力を見るテストです。発音などが試されるので一人で学習することが難しく、TOEICよりもハードルは高い。ただしその分、みんなができないことができるというアピールにもなります。S&Wは各技能200点ずつの400点満点で、企業に英語力をアピールできるレベルは大体、合計320点以上と考えてください」(山内さん)