人間の記憶は早いスピードで消えていく

あなたは今、メモをとっていますか? たいていの人は「必要なことは取っている」と答えると思います。しかし、多くの方は次のような状況ではないでしょうか?

●そもそも何をどこまで書くべきかわからない
●適当に取ったメモがどこかに行ってしまう
●メモ帳にたまっていくだけで見返さない

本を読んでいるときや、テレビを見ているとき、ちらっと「あ、いいな」と思ったことや、ふと、「今度あれをやろう」と思いついたことなどは、覚えておいて後で書こうとしても大体忘れてしまいます。なぜなら、強い目的があって探している情報以外の思いつきやなんとなくのレベルの情報は通常、メモする行動にまで結びつかないからです。ところが、このような小さな気付きや思い付きこそが、チャンスの神様となって後々大きな実を結ぶことがたくさんあるのです。

人間の記憶というものは思った以上に早いスピードで消えていきます。ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスによって導かれた、人間の脳の「忘れる仕組み」をグラフ化した「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか。20分後には覚えたことの42%を忘れ、1時間後には56%を忘れ、1日後には74%も忘れてしまうという研究結果が出ているのですから驚きですね。

ちょっと何かを思いついたら、後で使うかどうか、実際使うかどうかに関係なくまずは書いておくこと。そんなときに、いつでも書ける状態をつくっておくといいのです。そうやってアンテナを立てて置くと、だんだん何をメモに書くべきかがわかってくるものです。

私は愛用の『ブロックメモ』を常に胸ポケットに携帯しているだけでなく、自宅のトイレにも風呂にも車にも、会社のデスクから会議室まであちらこちらにこのメモを置いています。

日常からのインプットは、とにかく「アイデアの種」を捕まえる感覚です。こまめに残したメモについても「こんなの役に立つかな」と疑問に思う人もいるでしょう。ですが、アイデアの種は時間をかけ手を加えて丁寧に育っていくものなのです。

注意してアンテナを立てておかなければ簡単に見過ごしてしまうような小さなことが大きなビジネスのきっかけになることもありえます。ちょっとした感動や違和感、疑問などがあれば即メモをしておきましょう。メモをしようとすることで視点が変わり、周囲の情報や自分の心の動きに敏感になるだけでも、アイデアに対する感度はぐっと上がっていくはずです。

その積み重ねこそが、いつか大きな運を引き寄せることになるのです。