ファシリテーションとは、場の意見をまとめるだけのスキルではありません。会議を“キライ”から“好き”に、“長くまとまらない”から“短くまとまる”会議へとスイッチさせることもできるスキルなのです。みなさんには、谷流ミーティングファシリテーションの5つの極意をお伝えしましょう。

1つめは、会議時間の管理、議題や目的などを明確にし「会議全体をデザイン」すること。2つめは、傾聴、質問などを駆使し、得たい成果や目的などを短時間でわかりやすく引き出し、それを理解してもらう「対話のスキル」。3つめは、出された意見をまとめて、皆で共有し取り扱えるよう「見える化(=可視化)」すること。4つめは、決定者や役割分担、判断基準など、あらかじめ「決め方を決めておく」こと。5つめは、会議上はうまくいっても、実際の現場ではうまくいかないこともあるので「長期目線で考える」こと。この5つのポイントをマスターし、繰り返すことで、会議が短くまとまり、みんなが会議を好きになるような、良い循環へとつながります。

会議だけではありません。ファシリテーションがうまくなると聞き上手、まとめ上手になり、ロジカルに考えられるようにもなり、対話力、対人力、仕事力のすべてがアップします。結果、自然と人間関係も円滑になり、チームが活性化し、ビジネスもうまくいくという良いスパイラルが生まれます。

身につければ、友人や恋人、家族とのコミュニケーションもより良いものに変わります。仕事だけでなく、プライベートも充実させるファシリテーションの可能性は無限大。みなさんも、ぜひ実践してみてくださいね!

▼会議を“見える化”、ホワイトボードはこう使う!

POINT 1:日付と時間を入れる
いつ何を話し合ったか一目でわかる。写真に撮って議事録代わりに。

POINT 2:会議のテーマを書く
会議のゴールを可視化することで、話し合うべきことが整理される。

POINT 3:アジェンダにはチェックボックスを
その日に話し合うことをあらかじめ書き出し、それに沿って会議を進めれば話が脱線することも回避できる。

POINT 4:色分け・箇条書きでわかりや
話のポイントをつかみ、できるだけ端的な言葉で。ホワイトボード用のペンは何色かを用意。色分けすることで見やすくなる。

POINT 5:時にはイラストを用いて
簡単なイラストがあると伝わりやすく、和む。

POINT 6:本筋と別の話は線を引いて欄外に書き残す
「あ、そういえば、あれについても話さなくちゃ!」など脱線しそうなテーマに適用。

POINT 7:いっぱいになっても消さずに裏面へ
複数枚のホワイトボードを用意するのがベスト!

富岡麻美=構成 冨田寿一郎=撮影