常識的な接点を見つける議論を

受動喫煙防止法案も賛否が分かれています。

「受動喫煙を防止することについては誰も反対してはいません。一番守らねばならないのは体質的にタバコの煙を受け入れられない人たち。その人たちを守ることは権利として確立されたものだと思います。で、タバコが嫌いな人の権利というのは、権利として確立しているかどうかは別として、嫌いな人に迷惑をかけないようにしようというのは当たり前のことです。他方、人に迷惑をかけずにタバコを吸う権利。これを権利というかどうかはまた別で難しいところです。これも両者の接点はどこだろうということでしょう。そう言うと『おまえは人の健康を害してなんとも思わないのか、バカモノ!』みたいな話に飛ぶわけですが、それはあまり健全な議論だとは私は思わない」

全国の飲食店組合では、店内の喫煙環境がわかるステッカーなどを入り口に貼るなどして分煙に取り組んでいます。一つの知恵として、日本はこういう取り組みをしている、でいいのではないのかなとも思うのですが。

「いいと思いますけれど、私が言うとすぐまた企業から献金をもらっているんじゃないかとか、団体に応援してもらいたいからだと言われる。誰もそんなこと考えてないって(笑)」

個人の権利の制限というものを慎重に考えているからだと。

「利用者が選択できず、否応なく行かざるをえないところ、例えば市役所とか学校とか病院とか公の場は全面禁煙。いいことじゃないですか。で、利用者が選べる飲食店などは可能な限り喫煙室を設ける。でも、小さな店までも喫煙室を設けねばならないというのは……。ここのバーは禁煙。ここの居酒屋は喫煙できるということでいいじゃないですか。もちろん喫煙する際は人に迷惑をかけないというのはもっと心がけなくてはいけません」

新聞では「日本の受動喫煙対策は世界最低」という論調の記事が主流ですが、これもかなり極端な印象です。

「確かに煽っていますよね。日本は路上では吸わなくなったでしょう」

タバコの税収は現在2兆円ほどあります。受動喫煙防止法案がたたき台通りだと外食産業は8400億円の売り上げが減るという試算もあり、税収減になるから反対という意見もあります。

「税収の話よりも、やはり肝心なのは人の自由や権利の問題を突き詰めて考えることだと、私は思いますよ」

タバコは国が売るのを認めている一方で規制をしようともしている。

「全面的に禁止すれば、税収以上の医療費節減になるとも言われていますが、どうでしょう。わかりません。煙も迷惑かもしれないけど、酔っ払いも超迷惑でしょう。じゃあ酒も全面的に禁止すればとか、そういう話になるのでしょうか。そこはやっぱり常識的な線引きだと思います。今よりも少しでもそれぞれの人の権利的なものが、“的”なですよ、喫煙権とか嫌煙権があるわけではないから。それがお互いに尊重される社会づくりのために、常識的な接点を見つけるために議論する。接点探しじゃないですか、政治って」