マイナス金利の影響で、住宅ローン金利は低水準を保持。マイホーム購入には有利な状況が続いている。

物件価格に関しては、現在の不動産市場を「バブル」と見る向きもあるが、実際はバブルというほどには高騰していない。ここ数年で都心部の不動産が値上がりしたのは事実だが、リーマンショックや東日本大震災後に急落した市場価格が、適正水準に戻っただけにすぎない。マイホーム購入を考えている人は積極的に物件探しに乗り出すべきだろう。その際、まずこだわりたいのが「立地」だ。不動産の価値の大部分は立地で決まる。その立地を考えるうえでの新しい指標に「立地適正化計画」がある。

不動産業界人にとっては常識だが、一般にはあまり浸透していない「立地適正化計画」。簡単にいうと、土地を「住みやすい区域とそうでない区域に分ける」ことだ。

これからの日本は急速に人口減少が進む見通しだが、そうなると市区町村の税収も減少が予想される。現時点で、すでに少子高齢化が進行しつつある市区町村ほど問題は深刻だ。税収減で財政難に陥れば、現状と同レベルの安全な住環境の維持(インフラ整備など)さえ難しくなりかねない。

しかし、それは住民が広範囲に分散して居住しているからであって、大部分の住民の生活エリアが一地域に密集すれば、効率的に税金を投じ、環境を保持できるはずだ。

そこで、住民の住まいや公共施設、商業施設、医療施設などを一定エリアの中に密集させ、「コンパクトシティ」(居住誘導区域)を形成する計画が打ち出された。