4月から勉強を始める人はなぜ失敗するのか?

【2:英文法の勉強ばかりをやっている人】

英単語の次に多いのが、英文法の勉強ばかりをやるパターンです。大学受験までに、呪文のような英文法の解説用語を聞いた人も多いでしょう。例えば、「関係代名詞には主格と目的格があって、非制限用法もあって?」など、英語の先生から教わったことがあるでしょう。

この文法用語そのものは、もちろん悪いものではありません。ある程度英語の上級者になってくると、英語をロジックで考えるため、このような考え方も大事になってきます。

しかし、ほとんどの英語学習者にとって、こういった文法用語は実際に英語を使う上では残念ながらほとんど不要な知識です。大事なのは、文法用語を知っていることではなく、いかに知っている文法が使える形で頭に入っているかです。

大学受験までの英文法は、正しい文法構造をとらえて日本語訳にすることが求められます。しかし、英会話でもTOEICでも、日本語に訳すヒマはありません。それよりも、相手の言ったことをサッと理解してすぐリアクションをすることが求められます。そのために、文法用語というものは全くコミュニケーションを円滑にしてくれません。むしろ上達の妨げになってしまうことすらあります。

英文法の勉強ばかりしていても、なかなか英語は上達しないもの。それより実際に使われる形の英語の引き出しを増やすべきなのです。そのためには、やはり英文フレーズを多く知っている必要があります。例えば、「関係代名詞which」をそれだけで覚えるのではなく、“This movie which I watched yesterday?”などと、文章そのものを1つ頭に入れておく方がずっと英語の理解が進みます。理解できてから、文法用語で構造をあと付けすれば十分です。

【3:新年や新年度から英語をやろう!と思っている人】

1月と4月は英語学習系の本がよく売れるそうです。それだけ、新年や新年度で英語をやろうと思う人が多いのでしょう。

しかし、こういう一念発起して英語をやろうとするタイプも、残念ながら英語学習に成功しにくい。なぜでしょう? それは、「具体的な目標がない」ケースが多いからです。

英語の勉強と一口に言っても、いろいろな目的があります。日常英会話、ビジネス英会話、留学、TOEIC、TOEFL、英検などなど、使用するシーンや受ける試験によって、勉強するべき内容もかなり変わってきます。

英語の勉強をはじめる前に、まずは「具体的な目標」を持ちましょう。TOEICを受けるなら、どれくらいのスコアを取りたいですか? 英会話なら、どれくらいのレベルで英語を話せるようになりたいですか? 日常会話くらいなのか、ビジネスで通じるくらいなのか。自分が英語を身につけた後、どういうことをしたいですか? 

1月、4月に英語勉強を始めること自体は悪いことではありません。ただ、英語教材がどっと刊行されるこれらの時期に、背中を押される形で「じゃあ、やるか」という始め方は挫折率も高い。とにかく、具体的な目標を持つ。それで英語学習の成功確率がかなり変わってきます。