▼リーダーの資質とは何かを知る

(左から)『指導者とは』リチャード・ニクソン/文春学藝ライブラリー、『[増補改訂版] V字回復の経営 2年で会社を変えられますか』三枝 匡/日本経済新聞出版社

『指導者とは』リチャード・ニクソン/文春学藝ライブラリー
悪名高いニクソンは、実はすぐれた知性の持ち主だった。チャーチル、フルシチョフ、毛沢東など20世紀の歴史を書き換えた多くの政治家、リーダー中のリーダーたちと、アメリカ大統領として対峙した。同業の同時代人のまなざしで彼らを描写している。圧巻。

『[増補改訂版] V字回復の経営 2年で会社を変えられますか』三枝 匡/日本経済新聞出版社
英語や財務諸表の読み方に精通してもそれは、分業化されたひとつの業務、ひとつの技術の専門家、担当者でしかない。しかし、経営者とは総合的に考えて利益を上げられる人のこと。本書は経営学の名著だが、経営者とはなにか、という本質が書かれている点でも貴重。

▼歴史のおもしろさを凝縮

『ローマの歴史』I・モンタネッリ/中公文庫

『ローマの歴史』I・モンタネッリ/中公文庫
歴史の本に縁のなかった人や、興味が持てないという人は、この本から読んでみてほしい。ヨーロッパの歴史の根幹がわかるのはむろんだが、出来事や人物が生き生きと描かれ、古代ローマの世界にぐいぐいひきこまれることうけあい。歴史の叙述のおもしろさの極上部分が味わえる。

▼グローバル化とは何かを知る

『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国(上下)』若桑みどり/集英社文庫

『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国(上下)』若桑みどり/集英社文庫
地政学的にも言語の面でも、異質な国、日本にキリスト教を広めるために来訪した宣教師の経験は、現代のグローバル化に悩む日本人にも大いに参考となるすぐれた事例だ。グローバル化をもたらされる側の視点からこの問題を考えられるのが、歴史物としてだけでなく刺激的な点。