副業などでスキルアップを図る

50代は現役世代ですから、それなりに多忙です。勉強や研鑚を積むには土・日・祝日を有効に活用するしかないでしょう。昨今では、副業を認める会社も増えています。会社の許す範囲で、友人の仕事を無償で手伝ってみたり、スキルアップを図るといった方法も考えてはいかがでしょうか。

ところで、仕事には「アウトプット型の仕事」と「インプット型の仕事」があります。前者は、自分がこれまでの職業人生で培ってきたノウハウだけで十分にこなせるもの。手慣れていて苦労はなく、計算も立ちやすいはずです。

一方、後者は経験がないので、新たな知識や技能を身に付けていく必要があります。場合によっては助走期間が必要になることもあるでしょう。報酬だけを見ていたのでは割に合わない仕事かもしれません。ところが、こうした挑戦が自分を深く耕します。40代、50代で意識して取り組んでおくと、60代を過ぎてから、思わぬ道が開けるのです。

また、40代までは、どうしても同じ会社の人たちとの付き合いが多くなります。しかし、上司と部下となれば、1対1のフランクな関係ではありません。そこで、社外に目を向け、しがらみのない10歳年下、そして、10歳年上の友人を持つといいでしょう。

年下の友人からは、新しい価値観や時代の流れに乗った刺激をもらうことができます。自分の感覚を若く保つことが可能です。逆に10年先を歩いている人生の先達と一緒に行動していると、自分の未熟さが見えてくることも多いのです。まだ活動範囲の広い50代ですから、そうした交際も視野に入れてください。

田中和彦

プラネットファイブ代表取締役。1958年、大分県生まれ。リクルート、ギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ)を経て、企業の人材採用・教育研修・組織活性をテーマにするプラネットファイブを設立。
 
(構成=岡村繁雄 撮影=高橋健太郎)
【関連記事】
50代からの転職「すぐ決まる人、決まらない人」
適応力高く、昭和的な価値観「新人類世代」の接し方
50代からの人生を二極化する「4つの危機」対処法
忘れっぽいミドルに朗報「超」予定管理術
出世は“仕事の成果と関係なく”決まる