ブルボンヌさん(女装パフォーマー)、光浦靖子さん(タレント)、筒井義信さん(日本生命 代表取締役社長)が、交代でお悩みに回答する本連載。仕事や私生活でモヤモヤしていることを一緒に解決してくれます。今回の回答者は光浦靖子さんです。

【今回のご相談】
上司(40代)が、「おれは氷河期世代だから、ろくな就職先がなかった」とか「うちの会社、10年先は影も形もないかもな」など、返事に困ることばかり言います。有名人の訃報を聞けば、「おれも定年まで生きられないだろうな」とため息。ポジティブすぎる人も疲れますが、こういう人にはどう接したらいいでしょうか。[38歳・IT・mimic]

ポジティブ押しでイラッとさせて離れてもらおう!

こりゃ大変だ。ネガティブすぎる人と話してると、こちらも引っ張られますもんね。「さあ、今日も頑張ろう」なんて気持ち、すぐに萎(な)えてしまいますもんね。でも上司だから無下(むげ)にも扱えない。注意するなんて絶対できない。

光浦靖子●1992年、大久保佳代子さんとお笑いコンビ「オアシズ」を結成。「めちゃ2イケてるッ!」(フジテレビ系列)などのレギュラー出演の他、バラエティ、ドラマ、コラム、手芸展など多彩に活躍。

会話術で、言いたくない、聞きたくない内容のときは、話をそらすのが鉄則だそうです。「あの人、浮気してるらしいわよ」と悪口を聞かされたり、悪口の加担を求められたりしたら、「浮気といえば、こないだの浮気のドラマ見ました? 私、○○役の人が好きで。セクシーじゃないですか?」と、そらしからの質問だそうです。でも……スーパーネガな人だと、そらした話もネガティブに返しそうですね。

「ああ、あの役者嫌い。芝居下手じゃん」とか。うん、絶対そうだ。どんな会話にもネガでついてきそうだ。となると……。

そうか! あなたの相談に答えがありましたよ。そう、「ポジティブすぎる人も疲れますが……」。これですよ! 私もポジティブすぎる人、というか、ポジティブでなきゃと鬼気迫った、真面目な、頑張ってポジティブな人は苦手です。その上司には、頑張り屋ポジティブで対応しましょう。そして、コイツと話すと疲れる、と、自然と離れていってもらいましょう。

話の内容をポジティブに返すのではなく、少々イラッとする感じのやつね。上司が少しでも暗い顔をしていたら、「そんな顔してたら、幸せ逃げちゃいますよ!」。ため息をつけば、「ため息で幸せが吹き飛んじゃいますよ!」。眉間にシワを寄せてたら、「眉間の幅は幸せの幅!」とか。見つけたらすぐ。すかさず。なんなら普通にしてるのに。大きな声で、笑顔で。これは疲れますよ。あ、疲れて目をつむっているときに、顔の前で手をふりながら、「おーい、元気ですかぁ?」なんてのは、非常にイラッときますね。

ついでに、上司が目を開けたら、「おはようございます」と言ったあと、手マイクを顔の前に差し出し、おはようございますを強要することもやりましょうか。ちょっとでも猫背になってたら、「幸せは、胸から入ってくるんですよ。胸張って!」と姿勢を直そうとする。コイツの前では気も抜けないのか――。そう思われるくらいの元気印で元気の強要をしましょう。

ただし、会社のみんなの前でやることはないですよ。その上司の前だけでね。あなたがみんなからウザがられちゃいますから。

加藤 梢=撮影