「美しい夜景」と古建築ミュージアム「三溪園」

三宅義和・イーオン社長

【三宅】英語がよくできる方で、音楽から入った人は、とても多い。やはり、耳から入る生の英語が、自然に身につくということは素晴らしい。それと、とにかく自分が興味を持てるジャンルから入る。興味がないものを英語でやれと言われても、なかなか大変ですからね(笑)。

さて、横浜市のインバウンド対応ですが、去年、訪日外国人訪問者数が2400万人を超えたということがニュースになりました。横浜市では市内の外国人延べ宿泊者数が、2012年に約40万人だったものが、2015年には約72万人と急増していますね。主にどの国や地域からの観光客が多いのでしょう。

【中山】基本的には日本の全体の構成とあまり変わりません。横浜市の場合は、客数で言うと1位中国、2位アメリカ、3位台湾。増加率ですと、中国とタイが伸びています。実は、市の観光のスタッフが、3年ぐらい前から、タイの観光客獲得に相当力を入れました。直近では対前年比で250%を超える数字になりました。ここは横浜市の特徴と言っていいでしょう。

それから、人数はまだ多くはないですけれども、インドネシアの観光客数は対前年比が約190%です。ここも、2年ぐらい前から、現地にスタッフが行って、積極的に横浜市の魅力をアピールした結果だと思っています。

【三宅】横浜市を訪れるということは、市内での飲食とか、買い物、宿泊、交通機関の利用をするわけでしょうが、海外から来られる人たちは、横浜市の何に期待して、どういったことにワクワク感を持っていると感じられますか。

【中山】そうですね。日産自動車時代にマーケティングとか、ブランドを専門として担当していた経験から、足元がどうなっているかを知ることが大事だと考えています。「想像だけではわからない」というのが、経験としてあります。

そこで、アジア各国に対して、非常に簡単なものでしたが、インターネット調査を行いました。具体的には、訪日意欲がある方を対象に名所や観光施設、食事メニューといった写真と情報を組み合わせて調査し、イメージやニーズの分析をすると、そこで出てきた答えが、横浜の魅力は「美しい夜景」と古建築のミュージアムと呼ばれる「三溪園」というものでした。

それで、この2つで押していこうということになったのですが、正解だったと思っています。このところの観光客の伸びはその成果と言えます。