【実際よりもよく見せたい】

[5]棒グラフで差を強調しよう

現在の売り上げはナンバーワンながら、最近、競合に追い上げられ苦戦している……。そんな状況を資料化する際、時系列のグラフで示せば、不調であることがわかってしまう。アピールすべきは、「現在の売り上げ」という一点だけ。それを棒グラフで表現してみよう。

(a)折れ線グラフで表現すると、他社の成長が著しいことがよくわかる。近く逆転されそうな不安も。

(b)元データの表の中から、棒グラフを作りたい2016/1の数値を選択。「挿入」タブから「2-D縦棒」を選ぶ。

(c)棒グラフが完成。「現在の売り上げはナンバーワンです」と堂々と主張できる。差をもっと強調するために、縦軸の値を広げよう。

(d)縦軸を縮めるには、縦軸を右クリックし、「軸の書式設定」→その中の境界値にある「最小値」を「200」から「400」に変更する。

【完成】起点になる数字が変わったことで、同じ内容のデータを示しているにもかかわらず、先ほどのグラフよりも差を感じるはず。

[6]点線で将来の成長を感じさせよう

売り上げは他社よりも劣るが、最近伸びている製品をアピールしたい場合は、推移を伝えて成長を強調すべく、折れ線グラフを使用したい。さらにさまざまな手法を使うことで、事実を曲げずに、成長スピードや将来性を“演出”することも可能になる。

(a)その時点の数量を比較するのに適した棒グラフ。並べると、市場において2番手であることが歴然だ。

(b)前述した手順で棒グラフを折れ線グラフに変換。飲料Bとの差を縮めていることがわかる。

(c)さらにグラフの横幅を詰めてみよう。すると赤線の角度が急になり、前のグラフよりも、さらに勢いがあるように見える。

(d)さらに先の線を引くため、「挿入」タブから「図形」→「直線」。オートシェイプで線を作成。

(e)2016年2月の列を追加し、角度を合わせ線を重ねる。線を点線に変えるには、右クリック→「図形の書式設定」。

【完成】翌月には売り上げが逆転しているという将来予測を含んだグラフ。今は2番手という事実よりも、将来伸びそうな予感を相手に与えられる。