「Clova」サービスは「OK Google」のアジア版?

メイン会場の入り口。今年はのテーマは「The Next Element」。モバイル革命が深刻化してきて、さらに進んだ技術の隙間から、さらに新しいビジネスが生まれてきている。

難しく考えずに「OK Google」のアジア版と考えるとわかりやすいだろう。この「Clova」というサービスは、兄弟会社である韓国のNAVER社との共同事業だという。NAVERの持つ検索技術とコンテンツ、およびビッグデータ技術を共同で開発推進することで、中国を除くアジア圏にそのマーケットを広げていきたいという。

もっともこの「Clova」は、音声認識だけで、リモコンのように操作する単純なサービスとは異なる。「Clova Brain」というAIの心臓部があり、このクラウド AI プラットフォーム上で、リコメンドやパーソナライズされて最適なユーザー体験を提供していくという。デバイス、インターフェース、コンテンツ・サービスまで最適化されるというから期待が高まる。

また、LINEとしては、音声認識だけには、こだわっていない。

「人間の五感でコントロールできるものを目指します。音声と視覚はかなり近く、次にタッチするという触覚を考えます。いずれ臭覚や味覚を使ったコントロールを考えています」(出澤社長)

音声による単なる単一リモコン機能ではなく、他のLINE、NAVERとのサービスの連携がうまれていく。リコメンドやパーソナライズが進んでいくだろう。

しかし、このAIおよび音声認識の分野は激戦区だ。米国の3大巨人はすでに取り組んでいる。Googleの「OK Google」、Appleの「Hey Siri」、Amazonの「Allexa」などのサービスはここ1~2年新しいコンシェルジュ型のAIロボットの可能性として、注目を集めてきた。いくら業績好調のLINEといえども、果たして彼らに勝てる見込みはあるのだろうか?

「我々には韓国のNAVER社と兄弟関係にあり、ポータル検索の技術や日本語、韓国語などアジア圏の言語に関しては優位なポジションを持っている。またカルチャーや慣習など、提供するコンテンツサービスにおいて優位性を持っています。それに(勝ち目がないと)黙っていれば、日本は沈没するだけじゃないですか? それに対する我々の挑戦がクローバです」(出澤社長)