HPとネット受注を活用して営業体制を強化

職人と大きなバネ。

同社では長年にわたり特殊用途向けバネの市場を開拓してきた実績があり、その需要はほぼ開拓済みだと思い込んでいた。ところが2003年1月にネット受注システムを加味してHPを稼動させてみるとアクセス数が急増し、1年間に約100社の新規顧客を獲得できた。同社を必要とする顧客は潜在的にまだ多いことが明らかになった。

当初、約500社だった取引先数は、受発注業務のシステム化を図ったことで900社、3万件に増大し、逆に窓口業務の営業担当者は20人から10人に減らすことに成功した(2016年12月期)。

同社の顧客は1回当たりの注文個数が少なく、注文する頻度は低く、不定期という特徴がある。そうした顧客の数は多く、その受付窓口としてはHP上のネット受注システムが最も採算性がよくなっている。

リアルとバーチャルによる営業活動と受注方法

東海バネ工業の顧客維持率は非常に高く、受注の8割以上は既存顧客だ。同社の営業活動にはふたつの方法がある。ひとつはネットによる集客だ。

門外不出だった設計技術者が必要とするバネの設計方法や応力(バネの力)の計算方法、バネ業界の製造ノウハウなどバネの技術情報を積極的に同社HP上に掲載し、企業の研究開発部門や大学の研究室からのアクセスを増やし受注につなげている。

他方は商品別に専門性を備えたスタッフによって構成される「営業グループ」が発電所や宇宙開発関連の研究所や組織を訪れ、同社が持つバネに関する情報提供を行う人的営業活動だ。

販売(受注)方法は、電話とネットのふたつがある。

顧客からの技術や設計の相談は、「技術サービスグループ」と呼ばれる専門スタッフが対応する。Webサイトがきっかけでつながった注文は、2016年時点で年間取引件数の約40%を占める。

同社は過去の取引や発注量などによって価格に差をつけることはなく、新規顧客も含めてすべての顧客が上顧客という方針で臨んでいる。