イタリア・ミラノに本社を置く高級素材メーカー、アルカンターラ社のアンドレア・ボラーニョ会長兼CEOが2016年10月に来日、自社の経営戦略について熱く語った。

アルカンターラ社会長兼CEO アンドレア・ボラーニョ氏(Photoshot/AFLO=写真)

同社は1970年代に東レが開発した画期的な人工皮革「ウルトラスエード」の技術をベースに、「メードインイタリー」の職人技にこだわり、ファッション性と機能性を融合させた高品質のハイテク素材を独自開発。ファッションやアクセサリー、インテリア、自動車、船舶・航空機など幅広い分野で、製品に高級感を出せる素材として人気だ。特に世界の高級車の座席シートを総なめにしており、ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ、マセラティ、BMW、メルセデス・ベンツ、トヨタのレクサス、ホンダの新型NSXなど錚々たる車種で使われている。単なる内装素材メーカーという下請けの域を超えて、「高級素材」というブランドを確立した同社のビジネスモデルは、世界のサプライヤー企業の注目の的である。

同社はブランド価値を高める戦略として、サステナビリティ(持続可能性)を経営の柱にする。毎期、利益の10%以上を環境保全などサステナビリティ分野に投資、ボラーニョ会長は「環境や社会的責任とのバランスを念頭に、成長性、収益・効率性、健全性の3つの視点から、外部環境の変化にもブレない経営の継続が大切」と強調。同氏の信条は「日々の生活における美しさを実現させる」こと。官民一体の非営利団体「伊日財団」副会長も務め、文化・経済面の日伊交流にも積極的だ。

アルカンターラ社会長兼CEO アンドレア・ボラーニョ
イタリア生まれ。ジェノヴァ大学で化学工学修士号、ボッコーニ大学でMBA取得。1990年、アルカンターラ社入社。2004年社長、06年会長を兼務。