ECの新しいプラットフォームを作る
――D2Cとは何ですか?
クリエーターやメーカーが直接販売する。作り手が売ることで、サンフランシスコやニューヨークのスタートアップ企業ではメガネ、ベビー服などでこの傾向が増えています。同じネットを使った販売でも、ものの売り方、マーケティングの仕方がいま、劇的に変わっている。もうメルマガでモノを売る時代ではないし、アプリにファンを集めてプッシュを打った方が、効果がある。大手ECが仕組んできたECマーケティングがスタンダードである時代はほとんど終わりました。
――すると鶴岡さんが目指しているのは「EC2.0」ですね。
日本の企業の90%以上が中小企業であり、CMを打ってマスマーケティングができるのはほんの一握りの企業です。ただ、地方を見ると良いモノ、面白いモノを作っている人は沢山います。僕の母チャンみたいな人たちを救わなくてならない。それがインターネットであり、彼らに対して新しい時代のマーケティングのソリューションを届ける存在、プラットフォームを目指しています。
――SBIホールディングスの北尾代表などフィンテックの関係者はBASE高く評価しています。その中でいま力を入れていることは何ですか?
スタッフは70人程ですが、店舗オーナーにネットショップの使い方をご案内するCS(カスタマーサポート)が10人程、コーポレートが10人程、残りはエンジニアとデザイナー。お客さんの要望を聞くよりも前に、こちらから快適だと思ってもらえる機能を先に提供するには技術力が欠かせません。
――改めてBASEが最終的に目指しているものは何ですか?
今回は、話が混乱するのでお話ししませんでしたが、メールアドレスとパスワードだけで支払いが行える「PAY ID」や「PAY.JP」という弊社のフィンテックサービスも次第に利用者が増えています。こうしたサービスを通じて僕が目指しているのは、学生の時に考えた「価値と価値の交換を最適化」すること。僕らの事業の軸である決済の簡易化を通じて、人々の生活を根底から覆すようなサービスを提供していきます。それに向かって着実に進んでおり、手ごたえを感じています。
1989年、大分県生まれ。大学在学中にクラウドファンディングのcampfireを運営するハイパーインターネッツ社でエンジニアのインターンとして勤務。その後、paperboy&co.(現、GMOペパボ)の創業者、家入一真氏と複数のサービスを立ち上げ、バックエンドのプログラミングやディレクションを行う。2012年12月にBASE株式会社を創業、無料のネットショップ開設サービス「BASE」の運営を開始した。(「BASE」は30万店舗が出店、アプリは100万ダウンロードを突破している)