「家族外家族」との関わりが自立心を養う

そうした、私でなければできないこと以外は、信頼するベビーシッターの方にお任せしています。シッターさんの場合も、ただ「子供の世話をしてください」と言うのではなく、私自身の仕事観、人生観を伝え、共有するよう心がけています。

価値観を共有できる人にシッターをお願いできれば、それを理解したうえで子供たちに向き合ってもらうこともでき、安心して任せられます。彼女のおかげで私は、子供たちに対し罪悪感を覚えずに済んでいます。

健康管理にも気をつけています。睡眠時間を意識して睡眠の質を上げ、食事にも気を使い、朝をメーンにしています。運動も大切です。私はフルマラソン出場をめざして、休日にはランニングをしています。

「ストレスフリー」も大事なポイント。ストレスをためないためには、「やりたいこと」をやること。ただしそのためには、「やるべきこと」をやっておく必要があります。やるべきことをやった結果として、やりたい仕事にたどり着けるようになると、仕事にもやりがい、充実感、わくわく感が出てきます。

長男は2016年、受験を経て私立の中学へ入学したのですが、6年生の夏休みから準備を始めるというスロースターターでした。その遅れを取り返すために家庭教師を頼むことにしました。受験勉強の場合は特に顕著ですが、親子があまり密着しすぎると、よけいな葛藤が生まれます。親としては、つい小言が多くなる。それでは逆効果なので、親でなければできないこと以外は、すべてプロの方にお願いしました。

結局、子供の自主性を尊重し、かまいすぎないことが、子供の成長にも有益です。家庭教師の先生にも、一から十まで教えるのではなく、計画の立て方や勉強の仕方などを教えてもらい、極力、本人に考えさせるようお願いしました。親は小言を言う代わりに、子供を褒めて自信を持たせることを心がけました。

働く女性には、子育てを親に手伝ってもらっている人が多いでしょう。ただ、おばあちゃんに子供の世話を頼むことが、ベストだとは限りません。子育てについての価値観が違うと衝突のもとになりますし、祖父母はそもそも孫を甘やかすものです。実はシッターさんのように、身内のようでいて一定の距離のある人のほうが、甘えが出なくていいと感じています。

シッターさんは、まさに私にとっての「パートナー」「サポーター」という位置づけです。一緒に子供の成長を見守っていただく「家族外家族」の存在が、私の生活スタイルを支えてくれているのです。

▼「家庭との両立」のためのアドバイス

▼今年「やるべきこと」リスト6


1. 朝3時に起きる
2. 優先順位を考える
3. 「任せられること」を仕分けする
4. プロに任せる
5. 生活の質を上げる
6. 子供を褒める

夜10時から朝2時が良質の眠りを得られるゴールデンタイム
 
▼今年「やめるべきこと」リスト6


1. 夜更かしの作業をやめる
2. だらだらスマホをやめる
3. 「抱え込むこと」をやめる
4. ストレスをなくす
5. 子供に関与しすぎない
6. 実家の親に頼りすぎない

「SNSはPCから」というような縛りを設けるといい
 
(久保田正志=構成 永井 浩=撮影 AFLO=写真)
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