40代は働き方の分かれ目を迎える

柴田昌治 スコラ・コンサルト プロセスデザイナー代表

ビジネスマン人生にもターニングポイントがあります。私は、それが40歳だと考えています。入社してからの約20年間、がむしゃらに働き、会社でもそれなりの評価を得てきたのです。30歳前後で役職に就き、40歳であれば管理職になっている人も少なくないでしょう。そして、定年までの年数は、それからのほうが長いわけです。

ひと昔前なら、40歳を過ぎると自動的にポジションが上がり、部長はもとより役員さえ視野に入ったかもしれない。収入や手当ても右肩上がりで、定年後は悠々自適な生活も約束されてきました。ところが、バブル経済の崩壊以後、日本企業において、もはやそれは幻想でしかなく、そんなキャリアモデルは完全に崩壊しています。

では、40代はどんなビジネス人生を過ごせばいいのでしょうか。

私は今、40代は最も危険な年代だと考えています。それは働き方の分かれ目になるからです。ここで楽をしてしまうと、能力が一気に衰えてしまいます。誰しも覚えがあると思いますが、カーナビを使うと道を覚えていなくなったり、パソコンで文章を書いていると、いつの間にか漢字が書けなくなっています。

人間の脳は、鍛えた部分は40代以降も発達し続けます。そのことは脳科学者たちも一様に認めています。半面、刺激を与えなければ、脳は加齢とともに急速に衰えていくことがよく知られています。それを防げるかどうか、その境目が40代なのです。無事に「不惑」を迎えても、安心せずに50代や60代に向けて、さらなる人生の飛躍を期してほしいと思います。