加入期間が短いとデメリットもある

ただし、注意は必要です。

iDeCoで積み立てたお金は、加入期間が10年以上あれば60歳から引き出せます。でも、それ以下の方は最長で65歳まで引き出せません。

加入期間と引き出し可能年齢

60歳以降は掛け金を拠出できず「運用指図者」となり、それまでに積み立てたお金で運用することになります(この間の運用益も非課税です)。

ここでポイントとなるのは、iDeCoの口座管理手数料です。

一般的なケースでは、掛け金を拠出している間は所得控除によるメリットの方が大きいのですが、60歳以降運用指図者となったとき、口座管理手数料が運用益を上回ると資産が目減りしてしまうケースがあります。

口座管理手数料は、加入者が選ぶ金融機関(運用管理機関)が自由に設定できるため、年間2000円程度のところもあれば、年間7000円以上かかるところもあります。

加入期間が短い方は積み立てた金額も少ないので、この手数料を上回る運用益を得ることは難しいかもしれません。ですので、50代の方など、数年間しか加入できない方は、前述の所得控除額の合計と、運用指図者である期間にかかる口座管理手数料を比較する必要があります。

そこで、覚えておいてほしいのがこれです。

【50代でiDeCoに加入するときの目安】

「加入年数」×「所得控除額(節税額)/年 」>(「口座管理手数料/年」-「運用益/年」)×(「受給できる年齢」-「60歳」)

得られるメリット(所得控除)が、かかるコストよりも大きければ、50代であってもiDeCo加入にする効果が期待できるということです。