「慣れた仲間」からは人生の気づきは得られない

習慣化のコンサルティグを多くの経営者やビジネスパーソンに対してしていると、大きな気づきは、刺激指数の高い「人物」「本」「体験」から生まれる、ということがわかってきます。

今回は、刺激指数の高い気づきを生み出すための3つの戦略をご紹介します。

【1:刺激指数の高い人と会う】

人生を変える気づきは人を通じて得られることが8割といってもいいと思います。刺激指数が低い人とは、自分と似た環境・レベルの人です。決して一緒にいて意味がないというわけではありません。共感したり、共にモチベーションを高めたりすることは重要です。

しかし、人生を変える刺激指数の高い人は、自分よりステージが高い人(例えば組織で言えば3階級ぐらい上の人や圧倒的なパフォーマンスを上げている先輩など)か、全くの異分野の人、前向きで意識が高い人です。そうした人物と接触し、時間を共有することで、それまでの自分の価値観がガラガラと崩れる。まるでバーンと殴られるような感覚で、目が覚めるのです。

とはいえ、居心地がいいのは同じステージ・同じ分野・同じ意識レベルの人です。私は習慣化の学校や習慣化の部活というコミュニティーを複数持っていますが、参加される人が気づきを得られるのは、普段の職場では得られない異分野の人でかつ前向きで意識の高い人が集まるからだと思っています。

みなさんご存知のグーグルという会社は世界的に人気で、就職するのは至難の業です。希望者が殺到するのは福利厚生が充実しているからではなく、また給与が高いからではなく、一緒に働く社員のレベルが非常の高い集団だからではないでしょうか。

気づきは、フィードバックから得られることがあります。ニトリの創業社長、似鳥昭雄氏(現会長)は、家具業界で自社を急成長させた起業家です。彼は社長時代、恐怖のコンサルタントとして名高い先生を顧問にして、毎日怒られていました。

ソフトバンクの孫正義氏も経営会議では「またやられたよ……」というほど、手痛いフィードバックをするのは社外取締役を務めているユニクロの柳井正氏。それこそ、歯に衣着せぬ手厳しい指摘をするそうです。しかし、そんな猛獣のような社外取締役を入れるのは、刺激指数の高いフィードバックが欲しいからでしょう。孫さんには巨大なビジョンがあるので、それを実現するためにフィードバックを得るのです。

私たちも人生レベルの気づきは、誰か強烈な存在として怒ってくれる人や耳に痛い言葉を言ってくれる人が必要なのです。

私は最近座禅を組みにいきますが、住職の言葉はとても心に刺さります。そして、耳に痛い内容です。ちょっとした自己嫌悪の感情になるくらい、ビシビシに響く言葉がやってきます。しかし、それを受けるとなぜか、自分の枠が広がり謙虚にもなれるのです。

趣味のサークルでもいいのですが、刺激指数が高い人と会うことは、人生の気づきを得る上で非常にヒントになるはずです。