2017年2月10日(金)

重量5kg! 世界一重い柑橘「晩白柚」とは?

dancyu 2015年3月号

文・深町泰司 撮影・比田勝直大

直径26cm! ギネスブックに掲載された世界一の特産品

熊本県南部の中心都市である八代市。古くから対外貿易港として栄えたこの土地に、ギネスブックにも掲載された世界一の特産品がある。その名は晩白柚。ザボンの一種で、特筆すべきはその大きさである。ごく普通の大きさのもので直径が20cm近くになる。ちょうどドッジボールくらいのサイズ。重量世界一の柑橘としてギネスブックに認定されたものは、直径が26cmで重量は5kg弱もあったという。バスケットボールである。

晩白柚が収穫されるのは冬。市場に出回るのは年末から春前にかけてで、年中手に入るわけではない。露地物の収穫がピークを迎える年始早々に、収穫現場を訪ねた。

熊本空港のバスターミナルで私たちを待っていたのは、八代行きの高速バス「すーぱーばんぺいゆ」号だった。八代インターチェンジ付近には、ザボンの絵とともに「ペイユ」という看板を掲げたファッションホテルも見える。まさにオラが町の特産品である。

訪れたのは、八代市南部に位置する高田(こうだ)地区にある福田清治さんの晩白柚畑である。地元の人が高田山と呼ぶ山の斜面には、たわわに実った晩白柚が見え隠れしている。目の当たりにすると、やはり大きい。高さ2mほどの一本の木に数十個の晩白柚が生っていて、その重さを支えるためロープで吊ってある枝もある。畑は何しろ急な勾配で、空を見上げるような案配。畑内に小さなモノレールが走っているほどだ。

▼「晩白柚」ってどんな果物?
晩白柚の名称は「晩」生であること、果肉が「白」っぽいこと、中国語でザボンを意味する「柚」に由来する。原産地はマレー半島。日本における晩白柚の歴史は、大正9(1920)年に植物学者の島田弥七氏(八代出身)が輸入したことに始まる。日本での生産の約97%が熊本県で行なわれ、そのほとんどが八代産。その数は年間で30万玉以上になる。大きさや重さはもちろん、香りが高く、果汁が多く、果皮が厚いのも特徴。

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深町 泰司