一口に金利といっても実はさまざまな「金利」があるのをご存じだろうか。

一般にいう金利は、「利率」を指すことが多い。100万円を年利率1%で運用すれば、1年後に受け取れるのは1万円。この1万円が、「利子」である。

では、「利回り」とはなんだろうか。債券を購入するケースを例に説明しよう。

額面100万円、満期まで1年の債券があったとしよう。約定利率は1.46%。これを98万円で購入したとする。

1年後には、額面金額の100万円に対して約定利率1.46%の利子額として、1万4600円が支払われる。また額面の100万円が償還されるが、98万円で購入しているので、2万円の償還差益も得られる。儲けは合計で3万4600円になる(ここでは税金などを考慮していない)。

この場合、100万円に対して何%儲かったかを表すのが、「利回り」である。これは、リターンを投資額で割り、そこに100を乗じることで求められる。先の例では「3万4600円÷98万円×100」で、利回りは3.53%となる。利回りは「ROI=投下資本利益率」とも言い換えられる。

では、この債券を99万円で買った場合はどうなるだろう。

得られる利子額は同じだが、償還差益は1万円少なくなり、前述と同様に「2万4600円÷99万円×100」で計算すると2.48%になる。買値が高かった分、利回りが下がる、というわけである。

こうした利率と利回りの違いについては、意外と理解していない人が少なくない。金利という言葉では利率を指しているのか、利回りを指しているのかが明確でない場合もあるので、どちらなのかを意識する必要があるだろう。また利率が同じであれば、より安く買うほど利回りを高めることができるのは前述のとおりだ。

もうひとつ、「単利」と「複利」については正しく把握できているだろうか。

100万円を年利3%で10年間運用した場合について考えてみよう。単利では毎年3万円の利子が付き、10年後の受取額は130万円となる。

一方、1年複利で運用した場合はどうなるだろう。10年後の受取額は約134万3000円。単利より4万円以上も多くなる。

単利で運用した場合の受取額は1年分の利子額(3万円)の10年分であるのに対し、複利では、1年目の利子額3万円が元本に組み込まれ、2年目は103万円に対して3%の利子が付くからである。つまり複利とは、元本が雪だるま式に増えていくため、得られる利子も年々増えていく、というわけだ。

年4%のとき20年で倍になる複利計算の世界
写真を拡大
年4%のとき20年で倍になる複利計算の世界

単利と複利では期間が長いほど差が大きくなり、前述の例で30年運用した場合は、単利では利子額が90万円なのに対し、複利では約143万円にのぼる。また1年複利よりは半年複利など、利子が元本に組み入れられるまでの期間が短いものほど、収益性は高まる。

これを知っているか知らないかで、金融商品の選び方も違ってくるだろう。たとえば、年平均5%以上の収益をあげながら運用を続ける(複利運用する)ことを投資などの目標にするのが、お金持ちになる一つの目安になるものと思われる。

ちなみに住宅ローンでは、毎回の返済額が一定の「元利均等返済」の方式がとられるケースが多い。この場合、借入残高に対して金利がかかり、返済した金額から先に利子が引かれ、残りが元金の返済にあてられる。返済を重ねるごとに元金が減っていくため、次第に利子も減り、元金に回る額が多くなる、という仕組みだ。

返済期間が長い分、少しの金利差が大きな差になる、ということも念頭におきたい。