4人必要な警備を1台で対応できる

2020年に開催される東京オリンピックに向けて、大きな需要が見込まれるのが警備の仕事だ。だが、少子高齢化により警備業界では慢性的な人手不足に悩まされている。ALSOKはその課題に対応すべく、警備ロボットの研究開発を30年以上にわたって続けてきた。

「ガードロボ」の1号機が完成したのは1985年。01年には夜間警備の現場に初めて使用され、現行型で10代目を迎える。例えばキャナルシティ博多では、昼間は施設の案内ロボット、夜は警備ロボットとして活用されている。開発企画部の土谷尚賢担当課長は言う。

「研究を開始した頃は基礎となる技術も少なく、社会実験という位置づけでした。それが近年はWiFiやカメラ、電池といった技術が出揃ったことで、どのようにロボットを普及していくかを考える段階に移った」

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(左)最新型のガードロボ「Reborg-X」。東京タワーや科学技術館、富士急ハイランドなどが導入している。(写真=AFLO)(右)開発企画部 土谷尚賢担当課長

現在、同社が考える警備ロボットの効果的な活用法の一つは、大型施設の歩哨としての役割だ。

仮に施設の1カ所に1人の警備員を24時間にわたって配置する場合、1日に4名を雇用する必要がある。これがロボットなら1台のみで対応できる。

「最終的な判断はあくまでも人が行いますが、将来的に我々の持つ不審者の行動データを機械学習させ、その判断をロボットにある程度任せることは可能になるはずです」

同社は2015年末、「ゾーンセキュリティマネジメント」という新しい警備のコンセプトを発表した。そこでは一例としてロボットによる検知や顔認証技術などを活用し、その情報を警備員が装備するウェアラブルのメガネに表示させる――といった将来像が描かれている。

「警備員が警備室を離れて自由に活動しながら情報を得られる。人間とロボットがお互いに現場を動きつつ、情報を共有化して働くようになるでしょう」

(永井 浩、森本真哉=撮影 AFLO=写真)
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