同じ職業でも未婚率に「歴然たる男女差」あり!

斜線より上にあるのは、女性の未婚率が男性より高い職業です。医師は性差が大きくなっています。男性が6.1%なのに対し、女性は28.7%です。高収入ということがあるでしょうが、超激務ゆえに家事・育児との両立が困難なためと思われます(女性)。

聞くところによると、大病院の医局などでは、妊娠した女性医師へのマタハラがすさまじいそうです。仕事か、家庭か。医師は、こうした選択を迫られる度合いが高い職業といえるでしょう。未婚率のジェンダー差、さもありなんです。

経営・金融・保険専門職は、ジェンダー差がもっと大きくなっています。男性は17.8%ですが、女性は50.4%と半分を超えます。公認会計士や税理士などですが、こういう専門職への参入チャンスが既婚女性に開かれていないのは残念です。

右下は男性の未婚率が高いゾーンですが、少数の例外を除くと、サービス職や労務職が多くなっています。

未婚率の職業差をみましたが、これが自由意志の差と考える人はいないでしょう。個々人の意向とは別の、外的条件による制約(拘束)を強く被っていると思われます。

たとえば、年収との相関はどうでしょう。

図1によると、男性の未婚率が最も低いのは高給の医師です。先に書きましたが、収入は結婚チャンスを規定する条件の最たるもの。男性の職業別の平均年収と未婚率の相関図を描くと、図2のようになります。

平均年収は、それぞれの職業の年収分布から独自に計算したものです。全就業者の数値ですが、アラフォー年代の平均年収の相似値とみてよいでしょう。

ドットの配置は右下がりで、職業別の平均年収と未婚率はマイナスの相関関係にあります。年収が高い職業ほど、未婚率が低い傾向です(統計的に有意)。