2017年1月27日(金)

家呑みでゆる~く「ぬる燗のつけ方」

dancyu 2015年2月号

文・佐々木香織 撮影・萬田康文 教える人・菅原雅信「酒庵 酔香」店主

キリッとした「冷酒」も好き。アツアツの「熱燗」もたまらない。1℃の温度にこだわった「プロの燗」には脱帽だ。でも、家呑みするなら、ゆる~く、ぬる~くがいいみたい。

居酒屋で燗酒を飲むのが好きだ。時にピリッとした空気さえ漂うプロの燗つけ師の真剣な眼差しにも胸がキュンとする。で、つい聞いてしまう。

「どうすれば、おいしく燗がつけられますか~」。すると、プロはこう答える。

「徳利から立ち上る香りで適温がわかる」「1℃単位で味を見極める」のだと。ほほうと感心するも、同時にあー無理ムリと挫折感。だって、鼻は利かないし、舌にも自信なし。プロが使う燗つけ器も持っていない。潔くあきらめたほうがいいのだろうか。

「いえいえ、そんなことはありませんよ」と救いの手を差し伸べてくれたのが、押上の日本酒バー「酔香」の菅原雅信さんだ。徳利をやかんに突っ込み、ストーブで温めながら毎晩一升半(!)の酒を飲む父のDNAを受け継いだという菅原さん。自身も店を開く前までは家でゆる~く燗をつけていたそうだ。

「温めた日本酒は体になじんで身も心もゆるみますね。冬の夜に家で燗酒を楽しむ醍醐味はそこにあるのでは」。こわばった心身がほどけ、気持ちよ~くなる温度がまさに「ぬる燗」。道具がなくても、敏感な鼻や舌を持ち合わせていなくてもできるぬる燗のつけ方を、ゆる~く教えてもらいました。

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佐々木 香織