親の見栄で選んだ志望校で、子どもは転げ落ちる

合格した中高一貫校を辞める子と親の共通点4
▼○(正答)か×(誤答)かだけの思考で受験を突破できた

これは子どもだけではなく、親が大いにいけないと思うが、受験勉強の時にその問いの本質を知らずして、また考えようともしなかったご家庭は落とし穴にはまりやすい。○か×かだけを気にする勉強は行き詰ってしまうからだ。

例えば「円周の長さ=直径×円周率」という公式を見たときに「そうなっているんだから、何も考えずに覚えればいいのよ!」と教える親と「ちょっと実験してみようか」と言って、色んな直径の円を作って「円周はどんなに大きな円であっても、すべて直径のほぼ3.14倍」ということを実演できる親とでは子どもの知的好奇心が育つ割合が違ってくる。

「勉強は○か×かを競うものではなく、知的好奇心をくすぐるものであり、それがあった方が人生は楽しい」と我が子を教えてきた親からは知的好奇心を刺激し続ける中高一貫校を辞めるという選択をする子は出てこない。

合格した中高一貫校を辞める子と親の共通点5
▼100かゼロかの思想に覆われる

親の影響をもろに受けて「聞こえが良いから」あるいは「こっちの方が偏差値高いから」という理由でその学校を選んだ場合に陥りやすくなる。

プライドだけが高いために「理想」とする自分に「現実」が追いついてこないと「100点が無理ならば、0点でいい」という極端な思考になるのである。

要は「俺はやれば本当はできるんだけど、土俵には上ってないんで、勝敗はつかない」と言っているのだ。

これに思春期が加わるので、担任と合わない、先輩と揉めたなどという人間関係のトラブルに直面すると、すべてにやる気を失い、ドロップアウト一直線になっていく。

後編では、そうなった時に親がすべき対応策を伝授しよう。

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