上場企業の平均年収のトップはM&Aキャピタルパートナーズの2253万円――。気になる年収ベスト500社を一挙公開する。

スポーツ用品店「ゼビオ」平均年収3倍増のカラクリ!

「ゼビオスポーツ」や「ヴィクトリア」「ゴルフパートナー」などのスポーツ用品店を、中国や韓国を含め約700店舗展開しているゼビオホールディングス(HD)の従業員平均年間給与が、大幅に上昇した。15年度1450万円は、14年度比で何と3倍に迫る伸びである。

もちろん、全従業員の給与が3倍増になったわけではない。平均値の求め方を変えたためである。

【14年度】平均給与496.9万円 従業員971人 平均年齢38.2歳 平均勤続年数15.0年
【15年度】平均給与1450.8万円 従業員11人 平均年齢50.5歳 平均勤続年数18.5年

つまり、14年度の従業員971人の中には、300万円台の従業員もいれば1000万円超もいて、平均すればおよそ500万円だったということ。15年度は持ち株会社化し、会社の11人の社員を平均値にしたところ1450万円になった。

上場企業などが開示している従業員の平均給与については、平均値算出のベースとなる従業員数や平均年齢、平均勤続年数などの推移を確認することが欠かせない。とくに、ゼビオHDのように開示対象がグループ経営を統括する持ち株会社の場合は、平均給与が高く出るのが一般的である。ちなみに、同社の社内取締役の平均年俸は、14年度3150万円、15年度3250万円とほぼ横バイでの推移である。

平均年収トップはM&Aキャピタルパートナーズ。中小企業の事業承継やM&A(企業の買収・合併)の仲介業務に特化し、成約1件ごとに得る手数料はおよそ6000万円。その3分1が担当の従業員の収入になるというのが、M&Aキャピタルパートナーズのビジネスモデルだ。個別ならともかく平均で2200万円超、それも平均年齢がおよそ30歳というのは過去に例がない高給といっていいだろう。16年9月期は1905万円平均と減額になったが、平均給与トップレベルである事実に変わりはない。経営トップも、16年9月期に年俸が1億9742万円と初めて1億円を突破し、個別開示の対象になった。

ベスト10にランクインしているM&AアドバイザーのGCAや不動産投資の日本商業開発、それにランク外ながらM&Aキャピタルパートナーズの同業、日本M&Aセンターも1200万円台だ。大手銀行や証券各社は、大手テレビ局や総合商社と並ぶ高給企業として名高いが、規模は小さくとも高い給与水準の金融会社は存在するということだ。