著者は尊敬する経営者の1人。ダイキン工業の現会長である。同じ大阪に本社があり、もともと親交があったが、改めて経営者としての先見性と懐の深さを知った。

社長就任時、赤字に陥り「ボロ金」といわれていた同社で13期連続増益を達成。「六分四分の理」で中国進出を決めるなど強気のグローバル戦略を進める一方で、リストラは一切行ってこなかった。「企業の競争力の源泉は人の力」という一文にはわが意を得た思いである。机上論ではない、実践者の言葉は説得力をもつ。

経営者が従業員を大切にし、従業員が「顧客が何を望むか愚直に考える」姿勢こそが、組織と個人を成長させる。本書はそのよき実践事例である。