リフォーム工事の約半分を手掛けているのは、地元の工務店や大工です。一般的に新築の施工実績が多く、構造や間取り変更といった大規模なリフォームが得意なのが特色です。とくに在来工法による木造一戸建てのリフォームでは頼りになります。

ただし、「新築の実績が豊富=リフォームも得意」ではないことに注意してください。新築は一から建物を建てますが、リフォームは既存の建物を部分的に改築するため、現場ごとに制約条件が異なります。また、新築は誰も住んでいない土地に建てますが、リフォームは施主が暮らしながら工事を行うというケースが少なくありません。このように新築とリフォームでは求められる技術や現場での対応が違います。工務店によっては新築工事が中心で、リフォームはほとんど手掛けていないところもあるので、事前にチェックしたいところです。

また、建物構造の工事に強い工務店は、デザイン面で弱いことがあります。デザインを重視する場合は、これまでの施工実績を見て自分のイメージに合うかどうかをよく確認しておいたほうがいいでしょう。

リフォームの昔からの主役が地元の工務店や大工だとすれば、最近急増して一大勢力となりつつあるのがリフォーム専門店です。

リフォーム専門店は、工務店がリフォームにシフトしたパターンと、設備工事店や内装建具店、外壁塗装店といった専門工事業者が事業拡大で看板をかけ替えたパターンが主です。営業戦略上、トータルリフォームとうたっている専門店も多いですが、やはり出身分野によって得手不得手があります。出身分野については、会社の沿革や施工実績で確認しましょう。

例えばインテリアにこだわりがあるのなら、もともと内装建具店だった専門店がおすすめです。内装の施工実績が豊富で技術的に安心できることはもちろん、クロスやカーテン、ブラインドといった部材や設備を安く仕入れられるため、コストダウンの恩恵も受けられます。これは元設備工事店や元外壁塗装店の場合でも同じです。

ただし、コストダウンについては注意が必要です。専門店が実績のある分野の部材や設備をメーカーから安く仕入れても、それがそのまま部材や設備代金に反映されるとは限りません。リフォーム業者は工事費の10~15%を諸経費として請求するのが相場ですが、それだけでは赤字になってしまうため部材や設備にもマージンを乗せています。仕入れ原価に乗せる利益額は業者次第です。元○○店だから安いと決めつけず、相見積もりを取って、しっかりと比較しましょう。