非正社員にも「各種手当」をつけよ、と政府

問題となる具体例として「賞与について、D社においては、無期雇用フルタイム労働者には職務内容や貢献等にもかかわらず全員に支給しているが、有期雇用労働者又はパートタイム労働者には支給していない」ことを挙げている。まったく支給しない、あるいは正社員に比べて金額が著しく低いのはダメだということだ。

そのほか給与明細書には手当の名のつくものが結構ある。指針では同じ仕事をしていれば、以下の手当も同じ額を支給しなさいと言っている。

(1)役職手当
(2)危険作業などの特殊作業手当
(3)交代制勤務などの特殊勤務手当
(4)精勤・皆勤手当
(5)時間外労働手当
(6)深夜・休日労働手当

たとえば深夜・休日手当については、正社員と同じ時間、深夜・休日労働を行っているパート社員に対し、勤務時間が短いのだから、深夜・休日労働手当の単価を低くしているのは問題だとしている。

非正社員の中にはいまだに通勤手当すら支給されていない人もいる。通勤手当は「有期雇用労働者又はパートタイム労働者にも、無期雇用フルタイム労働者と同一の支給をしなければならない」と言い切っている。

通勤手当のように、やっている仕事の内容とは直接関係のない手当や福利厚生施設などの利用は、正社員・非正社員の区別なく同じにすることを求めているのも大きな特徴だ。

たとえば食事手当を支給している場合、正社員には高額の食事手当を支給し、非正社員には低額の手当を支給するのは問題だと言っている。

食堂、休憩室、更衣室などの福利厚生施設の利用を認めるのは当然であり、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有休保障も正社員と同じにしなければならない。

職場の安全管理に関する措置・給付でも同一の支給をしなければならない。企業では定期的に防災訓練を実施しているが、正社員だけが訓練に参加し、非正社員は仕事をさせることは許されない。

また、正社員には防災用ヘルメットが1人につき1つ支給されているが、非正社員には支給していない、あるいは防災ずきんのみという会社もあるが、これはとうてい許されない。