「反面調査します」は要注意

割り引いたほうがいいセリフはほかにもある。「調査に協力しないと青色申告を取り消します」も、その1つだ。

税金の計算は1年ごとが基本だが、青色申告すれば赤字を最長9年(個人事業主は3年)まで繰り越すことが可能。利益が出た年の黒字と相殺できて、節税効果は大きい。これを取り消されると痛手だが、「青色申告取り消しの要件は厳格に決まっています。納税者が協力を一度拒んだだけで取り消すのは無理。さらに何回も説得を重ねたうえでないと、違法とされます。頑強に協力しないような場合を除き、ほぼ脅しと考えていい」。

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税務調査官の代表的な「決めゼリフ」

一方、注意すべきは「反面調査します」。これは、対象者の申告に間違いがないか、取引先に確認する調査のこと。取引先に迷惑がかかるため、できれば避けたいところだ。

「現在は証拠集めにうるさいので、反面調査を非常に多く行っています。反面調査は取引先に行かないとわからないような場合に限って行うとされていますので、本当に必要か、調査官と交渉する必要があります」

これらのセリフは脅しとしてよく使われるが、悪質だったり額が大きければ、実行される。本気度を見極めたうえで対応を決めよう。

(図版作成=大橋昭一)
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