[和洋・中華] 茶びん

――郷愁を誘う、優しい味わいの町場の中華店

地元企業の宴会利用も多い。ラーメン(500円)は熊本らしくとんこつ味。他に、八宝菜(900円)、オムライス(650円)なども人気。焼酎の持ち込みも可。家族経営ならではのコストパフォーマンスだ。

●熊本県人吉市二日町5番地 TEL/0966-22-2938 営業時間/11:00~14:00、17:00~21:00 日曜休 20席

開店から丸56年が過ぎ、いまなお地元の人々に愛され続けている店である。店主の北島和夫さんは京都の料亭「茶びん」で修業したお兄さんからこの店を引き継いだ。現在では、中華を中心に、和食、洋食と幅広いメニューで、地域の家族連れ、老若男女が訪れるのも納得の品揃えだ。食材の9割は地元産。

1.開店当初から出している、熊本名物の大平燕。塩味の鶏ガラスープに春雨、揚げ卵を合わせた(700円)。
 2.牛肉、卵、カマボコ、タマネギのチャーハン(550円)。
 3.酢豚。豚肉はバラ肉を使用(900円)。
 4.店一番の名物焼き餃子(450円)。写真は3人前。昔はキャベツとニラを混ぜて作っていたが、いまは地元のハウスで作った無農薬のニラと豚肉、ニンニクのみで作る。閉店後に北島さんが深夜まで数時間かけてひとつひとつ手作りする。北島さんの両手にはいくつもの餃子マメができていた。
表の派手な看板は、北島さんが病気入院していた4年前、風水で気分一新しようと、黄色と赤で統一し、かけ直したもの。

[和食] 方寸

――――料理の一皿から店のしつらえまで、 洗練を味わう一軒

店内で食べる以外にも、家庭の新年会へすっぽん料理の出張、結婚式でのおむすびの提供など、個別リクエストも可。コースは3675円~8400円以上は要予約。

●大分県大分市荷揚町6-16 スカイメゾン外苑1F TEL/097-537-7547 営業時間/11:00~14:00(ランチ)、14:00~18:00(カフェ)、18:00~22:00(LO) 不定休 14席、テラス15席

「飛行機に乗ってきたものは使わんでいい」と大分の食材を中心にメニューは構成されている。食器も「へたへた工房」中島信男氏による木の器など大分の作家のものを多用。もとは専業主婦だった河野美千代さんの作る料理のコンセプトは、「昔ながらの地元食材を使って、そこに私たちのセンスをちょっとのせて、次の世代へと伝えていく」。木と水路とお宮に囲まれた店の内部は、お料理同様、隅々まで洗練されている。

1.豊後水道の関サバとイカ。
 2.揚げた里芋に長ネギのフライを敷いたものとタイのポテト巻き、ハニーマスタード添え。
 3.タマネギの丸ごとオーブン焼き。上にのっているのは、酒とニンニクでことことと煮た牛タンで、手作りのハトムギ味噌をつけて焼いたもの。
 4.かごに入れられた小さなおむすび。お吸い物にはカボスの皮が。
 5.日田市でとれた5種のキノコ(シイタケ、シメジ、エリンギ、マッシュルーム、エノキ)を使ったテリーヌ。つなぎは大分産の鶏肉のささみ。長ネギのマリネが添えられている。

(文・構成=一志治夫 撮影=川井 聡 )