これまでの累積供給戸数はおよそ92万戸。確かな実績を持つ大和ハウス工業の賃貸住宅が、競争の激しいなかでも受注を伸ばしている。一歩先を行く工夫やアイデアで、土地が持つ価値を引き出す「D-room」の魅力に迫る──。
ドラマのようなテレビCMも印象的な「D-room」。

ご入居者の視点に立った商品開発を徹底

「需要はあります。我々の役割はそれに合致した物件をつくり出すこと。賃貸マーケットの需給動向を読みながら、満室となるような商品を開発し、運用をサポートする。これがオーナー様の期待に応える道だと考えています」

国内で人口の減少が進むなか、住宅建設にも不透明感が漂い出している。土地所有者の税務対策や継続的な収益確保の手段として底堅いニーズを持つ賃貸住宅市場も、当然変化せざるを得ない。大和ハウス工業で賃貸住宅事業を統括する堀福次郎取締役専務執行役員は、こうした環境変化に対し、需要と供給の観点から「ご入居者の視点に立った商品開発に全精力を注いでいる」と語る。

堀 福次郎(ほり・ふくじろう)
大和ハウス工業株式会社
取締役専務執行役員

例えばいまから6年前、同社の賃貸住宅「D-room」にホームセキュリティシステムを初めて導入したとき、業界では「賃貸に警備の駆け付けサービスが必要なのか」といった声も多かった。しかし、この防犯配慮型賃貸住宅は大ヒット。翌年発売の女性向け「SW(Safety & Security for Women)」仕様とともに、いまや大和ハウス工業が手がける賃貸住宅の約9割を占める人気商品となっている。

創業以来、工業化住宅で先行し、業界初の取り組みを数多く実現してきた大和ハウス工業。社会ニーズを先読みし、商品化につなげる能力の高さには定評がある。

「SWで採用している一坪タイプの広い浴室やウォークインクローゼットなどは、ご入居者の声がヒントになりました。もちろん人口動態や社会動向、ライフスタイルの変化などのデータ分析、さらに地域性も踏まえて商品化しているのは言うまでもありません。大都市圏への人口流入、単身世帯の増加、女性の社会進出など、需要と供給のバランスを注視しながら、事業を最適化していく。そうした緻密な取り組みが、これからの賃貸経営の成否の鍵を握ると考えています」

付加価値を提供し高い入居率を維持

需給バランスに基づく施策はマーケティング戦略の基本。一方、堀専務の発言からは、さらに「競争力ある商品の供給で需要を掘り起こす」という大和ハウス工業の“思い”が垣間見える。その裏付けとなっているのが、同社の好調な業績だ。2017年3月期は、6期連続の過去最高益の見込み。賃貸住宅事業だけでも9600億円(前年比9.1%増)を売り上げる予測で、顧客利益につながる大規模投資も業界をけん引する企業として大胆に進めている。

「オーナーの皆様は、何よりも空室になることを恐れています。自分の保有物件が空室で夜に灯りがともっていなければ、やはり不安や寂しさを感じるでしょう。私たちがやるべきは、ご入居者が喜ぶ部屋を提供し、満室を目指すこと。そのためにさまざまな細かい工夫を施し、先行投資も行っています」

現在、グループ会社の大和リビングが管理する賃貸住宅は約49万世帯(※1)。入居率は95.6%(※1)と、全国展開しているにもかかわらずとても高い数値となっている。それでも「限りなく100%を目指す」という堀専務。そのための細かな工夫が、宅配ボックスや生ゴミ処理のディスポーザー、スピーカー内蔵の浴室の採用などだ。また独自にインターネット接続や動画配信サービスを提供するほか、業界で初めて(※2)屋内用蓄電システムを各戸に標準装備した防災・節電の賃貸住宅も開発。時代をとらえた付加価値サービスを次々と打ち出している。

「現在、外国人の需要も盛り上がっています。日本でも、海外で一般的なサービスアパートメントのニーズが出てきました。将来的には私たちも、例えば単身赴任者向けに家具、家電を備え、家事サービスを提供する仕組みなども取り入れていきたいと思っています」

こうした先駆的サービスや新規ビジネスが可能なのもグループ内にホテルなどの商業施設を保有し、全国各地で複合開発事業を推進する大和ハウス工業の特徴だ。170社を超えるグループ企業が保有する事業リソースは、土地保有者や賃貸住宅オーナーにとっても、長期的な安心材料となっている。

左/洗練された外観も人気の大和ハウス工業の賃貸住宅。外壁には、汚れにくく、耐候性に優れたセラミック系塗装を施している。写真は「セジュールオッツ-T」(3階建て)。 右/落ち着きのある和の風合いを現代のスタイルで美しく表現した「セジュールウィット 京和風」の室内。

次の世代にも安定経営を継承

加えて、同社が力を注いでいるアフターサポートもオーナーにとっては心強い。現在、「ダイワハウスオーナーズクラブ」は全国92カ所で活動し、会員は約3万5000人。総合サポートシステム「悠々サポート・DAPS」とも連動させながら、研修会や勉強会、そして大和ハウス工業の幹部を交えた懇親会と積極的に交流を図っている。

「当社では長期にわたる施設管理サポートのほか、経営管理や資産運用も含め、トータルでオーナー様の賃貸経営を強力にサポートしています」と堀専務。その一環として「山に木を植える作戦」を展開中という。

これは漁師が山に植林することで落ち葉が増え腐葉土なり、豊富な栄養ミネラルが海に流れ込む。さらにそれがプランクトンからの食物連鎖で豊富な漁場を形成していく──。それと同様の将来を見据えた取り組みのことだ。具体的には築年数を経た物件について室内設備やサービスを充実させるなど、競争力向上のための施策、工夫全般を指している。

「30年、40年、さらにもっと長期にわたり大事な資産をお守りしていく。これは私たちの重要な使命だと考えています」と堀専務は力を込める。

自分の代だけでなく、次の世代にも安定経営を継承していく──。そう考えるオーナーにとって、やはり業界のリーディングカンパニーである大和ハウス工業は、注目すべきパートナーといえそうだ。

(※1)2016年11月30日現在 (※2)大和ハウス工業調べ

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