疑問3:記事制作方法を変え、儲からなくなってもメディアを続ける意思はあるか?

DeNAのキュレーションサイトでは、コスト削減のために編集部を置かず、記事執筆は外部パートナーに委託し、独自取材を行わず他サイトから情報を持ってくることによって、コストを極めて安価に抑えてきた。

一般に、Webメディア事業のビジネスモデルは、広告収入から記事制作コストを引いたものが利益になる。広告収入以外にも大きな収入源があるのでもない限り、記事制作コストが高くなれば利益は大幅に減り、“おいしいビジネス”ではなくなってしまう。

広告収入以外にも、DeNAのキュレーションメディアには大きな収入源があったのか。また、今後他サイトから情報を持ってくるのをやめて、オリジナルコンテンツをつくるように路線変更し、記事制作コストが跳ね上がって利益が減ったとしてもこの事業を続けるのか? 筆者の問いに対し、守安社長は以下のように答えた。

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

「収入面に関して、一部MERYにおいてEコマースを行っていたので物販売上がありましたが、基本的には広告収入が大半です。そしてコンテンツ制作にコストをかけた場合ビジネスモデルとして成り立つのかという質問。まさにそこを我々が考え抜くことが必要だと思っているので、挑戦はしていきたいと思います。

結果として、これがビジネスモデルとして成り立たないということになるかもしれません。しかし現時点では、これもキュレーションビジネスと呼ぶのかということから考えないといけませんが、こうしたバーティカルなメディアをどうすればユーザーのみなさまにも喜んでいただき、世間のみなさまにも納得いただいて、ビジネスとしても成立するものができるかというところは考えていきたいと思っています」

DeNAにとって、メディア事業はもともと本業ではない。ビジネスとして成り立たなければ撤退する可能性があるということか? と問うと、守安社長はこう答えた。

「それはどの事業においてもだと思っています。弊社の事業すべてについて、当然営利企業ですから、投資期間をどれくらい見るかということでも変わってきますが、未来永劫利益を生む可能性が低いということであれば、事業から撤退するというのは必要な判断だと思っています」