白内障とは、目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が硬くなり、白く濁ってしまうことでさまざまな症状が出る病気です。人によって症状は違いますが、明るくまぶしく見える、逆に視界がぼやっと暗くなる、文字がかすれる、かすむ、二重に見えるといった状態になります。

白内障とはどんな病気か(『その白内障手術、待った!』より引用)

みなさんは自分の利き目がどちらかご存じでしょうか。利き目の白内障が強くなると、生活に不自由を感じやすくなりますが、利き目と逆の場合は進行に気づかないことがあるそうです。また、手元が見にくくなってくるため、老眼が同時に起こります。そのため老眼と区別できないことも多いと平松医師は話します。

「『なんだか見づらいな』という状態から、徐々に進行します。ずっと老眼だと思っていたら、実は白内障だったということもあります。視力に問題がなかった方だと、老眼なら遠くは見えて手元が見づらくなりますが、白内障だと水晶体そのものが濁りますから、遠くも近くも見づらい。これが両者の違いです。全体が真っ白になる人もいれば、部分的に白くなる人もいて、症状はいろいろです。

白内障は特別な人がなるものではありません。99.9%の人間がなると思ってください。人間、年を取ればいつかは白髪になるのと同じに、年を取るとレンズが濁るのです。ただ、白髪は見た目だけの問題ですが、白内障の場合は視力に問題が生じるため、生活に影響が出ます。生卵をゆでると、白身が白く硬くなるのと似ており、1度そうなったら二度と元通りにはなりません。海外では失明原因の第1位が白内障。侮れない病気です」

白内障は他人の話ではなく、誰もがいつかはなる可能性が高い病気であること、一度なったら進行を止める予防的な治療しかできないことを知っておきましょう。